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ボブ・グリーン著/駒沢敏器訳

最も素晴らしい映像というものは、そして最も精彩を放ち消えることのない映像というものは、心のなかにこそ刻まれている。それは決して消えることはないし、古くなることもない。
最も素晴らしい何かは、決して消えないものなのだ。それこそが、私がジャックに伝えたいことだった。自分は間違っていないと思った。(14)

初めて「American Beat」や「Cheese Burgers」を読んだのは、かれこれ20年近く前のこと。日常の些細な出来事を温かい目線で切り取り、味のあるコラムの形で呈示する彼のスタイルにすっかりハマった。自分もこんな文章を書きたいと思った。邦訳版が原書の半分しか訳されてないと知ると、ペーパーバックスを買ってまで読んだ。その英文は辞書なしでも何とか意味が取れる位平易で気取りがなく、原書を一冊読み通す喜びとちょっとした優越感を私に与えてくれた。
さて久々のボブ・グリーン。テーマは親友の死。400ページ近くにわたって、親友ジャックが末期ガンを宣告されてから死に至るまでの最後の交流の日々を、若い日の想い出を絡ませながら感傷を込めて描き切っている。私にも高一以来の親友がいて、年に数回飲みに出るたびに「人生も半ばを過ぎたし、あと何年こうして二人で飲めるやろか」と脳裏をよぎらないではないが、まだまだ現実として考えたくはない。

これだけは死ぬことがない。これだけはいつまでも続く。そんな風に友情というものは永遠だ。建物はできてはなくなり、名声の輝きを得た男や女は現れては消え、時は訪れてやがて静かに過ぎ去る。しかしこれだけは終わることがない。お金に替えることなどできない。そんな価値など超えたところにあるこれだけは。誰ひとりとして、人からそれを奪い取ることはできない。(27)

[2007年11月14日] この日の感想・書評へ→

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