
名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方
鈴木康之
「これは人にぜひ聞かせたい」と思わず膝を叩きたくなるいい話を聞き出せたら持ち帰って書く。このことを私は「コピーは読者への土産話である」と言ってます。喜んでもらえない話は土産話になりません。(中略)
このことを私はコピー教室などでは「コピーライターは、書き上手になるな、聞き上手になれ」と教えています。(第三部「話の見つけ方」より)
今は絶版になったと本書で知ったが、著者には「名作コピー読本」という“名作”がある。日本を代表する広告のボディコピーを俎上に乗せ、一文一語にサクサク包丁を入れながら手練れの技を解説してくれる、コピーライター志望者にとって究極の入門書である。この世界に入って間もなく師匠をガンで失った私にとって、「名作コピー読本」は文字通り干天の慈雨。貪るように読み返しては、そのたびにコピー職人の技の奥深さに感嘆させられたものだった。
本書はその「名作」の流れを汲みつつも、業界人ではなく一般の方に向けて平易に著された、「読んでもらえる文章の書き方」の指南書である。分析の精緻さは勿論のこと、本書の構成&本文自体がそのまま「読まれる文章」のお手本となっており、まさに理論と実践が見事に一致した一冊。
そうなんです、いちばんは本人なんです。本人が楽しんでいないと、読み手にそれが伝わりません。土産話は、楽しみ方まで、語り手からのおすそ分けなのです。料理する人自身がいちばん美味しいと思うから、ご馳走になる人も美味しいと舌鼓を打つ。料理と同じだと思います。(第三部「話の見つけ方」より)



鳳凰美田「剣」(栃木)
純米瓶燗火入酒
1800ml/2500円
「ちとせ」で締めの一杯。日本酒がやや苦手な連れの旧友に、「まあ一度お試しを」と出して下さったのがこの「鳳凰美田」。純米瓶燗火入酒とのラベルを見て、えらく“通っぽい”のを選んだなあと不思議に思ったが、酒器から立ち上る香りを嗅いだ途端アッと驚く為五郎〜 (古っ!)、バナナやマンゴーを彷彿させる南洋果実系の吟醸香が鼻孔をくすぐった。味の方もゴージャスな香りを裏切らない華麗さを身に纏いつつ、全体に上品かつバランスの良い味わいにまとめている。裏ラベルを見ると山田錦(45%精米)、五百万石(55%精米)の2種類を併用した吟醸仕様。これをただの純米の名で世に出すとは、「鳳凰美田」恐るべしである。
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