
石の猿
ジェフリー・ディーヴァー著/池田真紀子訳
「つまり、私はこのままで調和が取れていると思うのかね?」ライムはうんざりしたように笑った。
「あんたがこうなったのは運命だよ、老板。何かの目的があってこうなったんだ。こうなったおかげで刑事の才能が最高に引き出されているのかもしれない。あんたの人生はいまのままでバランスが取れてるんだよ、老板」
ライムは笑うしかなかった。(第三部「生者と死者の名簿」より)
リンカーン・ライムシリーズ第4弾。いつもと趣向が違って、犯人の正体や狙われる標的を最初から明らかにしつつ物語は展開される。
スリリングで不気味な海中での証拠探し、中国人刑事との心の交流といった新機軸を堪能しつつも、過去3作を通じて主人公並の優れた洞察力を身に付けた (?)愛読者の私は、クライマックスで書名の「石の猿」が事件解決の鍵になる!と看破、ほぼ予想通りの展開で犯人逮捕に至った。ふむ、今回は作者の術中にはまらなかったわいと少々物足りなさも感じたが、ふと手元を見るとまだ70ページ以上も残っている。もしやもう一波乱あるのか?と気を引き締めて残りページを読み進めていくと・・・。やっぱやられちゃいました。
暗闇の奥で何か動く気配がする。何だろう。魚か。ウナギか。イカか。
このまま帰りたいわ、ライム。
しかしゴーストがチャン一家を探していることを思い出した。ポーイー、宝の子という名前の赤ん坊のことを思い出した。
暗闇のこと、閉所にいることは忘れ、そのことだけを考えよう。そのポーイーのために前に進むのだ。
アメリア・サックスは泳ぎ続けた。(第四部「悪鬼の尾を切る」より)



秀緑(茨城)
特別純米
1800ml/2520円
独特の華やかさを持つ吟醸用310酵母と55%精米した長野産の美山錦を、700kgの小仕込みで丁寧に醸した特別純米。軽快な第一印象ながら、徐々にしっかりとした旨味の存在が感じられ、後味も爽やか。蔵元は大正元年創業、平将門の居城地として知られる板東市の大塚酒造。今月二度目の北千住「酒屋の酒場」にて、店主お任せ地酒の1本目。肴の前半は甘海老・帆立の造り、蝦蛄、鰻の肝焼、穴子の白焼。
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