
明治という国家
司馬遼太郎
攘夷論者はすなわち鎖国継続論者です。同時に多くの場合、倒幕論者です。かれらは、幕末のぎりぎりに、
−−鎖国は、日本古来のものでなく、徳川幕府がその初期にとった国是にすぎないものらしい。
という、いまなら、中学生のすみずみまで知っている簡単な事実に気づきます。・・・(中略)・・・それを知らずに、幕府に対して、国を鎖せとざせとむりやりに要求しつづけていた攘夷的革命論者は足もとをすくわれたのです。(第四章「“青写真”なしの新国家」より)
知れば知るほど、明治維新は不思議な“革命”である。構図を単純化すれば徳川が敗者で、薩長を中心とする官軍が勝者ということになるが、いざ維新が成って新しい世が到来するや、革命の原動力であった武士階級は消滅し、敗者も勝者も仲良く職を失った。生き残った大半の武士達にすれば、わざわざ体を張って自分達が食えなくなる世の中を創り上げた様なもの。「こんなはずじゃなかった・・・」というのが、上は西郷から下は名も無き下級武士達までの、共通した思いだったに違いない。
新国家の青写真をもっていた人物は坂本龍馬だけだと、本書で著者は述べている。まあそこまでは言わないにしても、龍馬が生き長らえていれば進んで両刀を捨て、「世界の海援隊」作りに向け喜々として第二の人生を疾駆した気がする。
明治維新は、士族による革命でした。多くの武士が死にました。この歴史劇を進行するために支払われた莫大な経費−軍事費や、政略のための費用−はすべて諸大名が自腹を切ってのことでした。
そのお返しが、領地とりあげ、武士はすべて失業、という廃藩置県になったのです。なんのための明治維新だったのか、かれらは思ったでしょう。(第五章「廃藩置県−−第二の革命」より)



酔楽天(秋田)
大吟醸長期低温秘蔵
1800ml/6600円
「酔楽天」は明治41年創業の、「秋田晴」を主銘柄とする秋田酒造の酒。ANAのファーストクラスで使用されているらしい。フルーティで上品な香りを楽しんだ後に、長期熟成酒らしいまろやかな旨味がゆっくりと口中に広がってゆく。45%磨いた山田錦が原料。
虎ノ門の小料理店「花たろう」にて。市価6600円もするこの酒をグラス一杯(140ml程度)800円で出していたのが驚き。肴は萩の蒲鉾、刺身盛り(カンパチ、関鯖、秋刀魚、鮪ほか)、ハタハタとベーコンの燻製他。
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