東野圭吾
「俺の人生は、白夜の中を歩いてるようなものやからな」 「白夜?」 「いや、何でもない。」桐原はハイネケンを飲んだ後、友彦と弘恵の顔を交互に見た。(第八章より)
ずっと気になっていながらも、なかなか読む機会のなかった東野圭吾。どうせなら代表作と呼ばれているものをと思い、北国への出張に似合うタイトルの本作を選んだ。文庫で約850ページの大作だが、全体を流れる暗く重い通底音の様な空気感に絡め取られ、二日間で一気に通読。最後の一行を読み終え、しばらくの間何とも言えない余韻が重く残った。そして、巻末の馳星舟による解説を読んで初めて、そう言えば主人公二人の内面と動機が一切描かれてなかったと気付く。さらには犯行場面の描写さえなく、それでいて読み手には、事件の動機と全容が納得感のある真実として伝わっている。巷では賛否が分かれる小説らしいが、私は確実にはまった。
刑事たちが行動を起こし始めた。ある者は現場保存の段取りをし、またある者は店長の女から事情聴取をしようとした。そしてある者は笹垣の肩に手を置き、彼を死体から遠ざけようとした。 笹垣はふらふらと刑事たちの輪から離れた。見ると、雪穂がエスカレータを上がっていくところだった。その後ろ姿は白い影に見えた。 彼女は一度も振り返らなかった。(第十三章より)
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白夜行
東野圭吾
ずっと気になっていながらも、なかなか読む機会のなかった東野圭吾。どうせなら代表作と呼ばれているものをと思い、北国への出張に似合うタイトルの本作を選んだ。文庫で約850ページの大作だが、全体を流れる暗く重い通底音の様な空気感に絡め取られ、二日間で一気に通読。最後の一行を読み終え、しばらくの間何とも言えない余韻が重く残った。そして、巻末の馳星舟による解説を読んで初めて、そう言えば主人公二人の内面と動機が一切描かれてなかったと気付く。さらには犯行場面の描写さえなく、それでいて読み手には、事件の動機と全容が納得感のある真実として伝わっている。巷では賛否が分かれる小説らしいが、私は確実にはまった。
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