小野俊哉
V9巨人は、3回を終了した時点でリードしていると、その勝率は.831と、かなり高い数値をはじきだしているのです。3回終了時に同点の状態(0対0を含む)では.551とかなり落ちますし、負けている状態では.329ですから、早く相手からリードを奪う野球をすればするほど、勝利数が伸びる計算になります。 ・・・(中略)・・・V9巨人は3回リードの試合を全試合数の42.5%にまで伸ばし、413勝しています。全703勝のうちの59%、約6割をここで稼いでいるのです。(「勝利の普遍法則は『初回リード』」より)
V9巨人は憎らしいほど強かった。その強さは王・長嶋の存在に集約されがちだが、それだけで9年も続けて勝てるものではない。という訳で、V9巨人の強さを全1192試合のデータを基に分析した本が出たと知り、読まずにいられなかった。見出しを見ても「巨人キラーは、シピン、ロバーツ、川藤幸三」「『長嶋はチャンスに強かった』を検証する」「V9のエースは堀内恒夫か、高橋一三か」etc.ノスタルジックな視点からも十分に楽しめる内容だ。但し本書の価値は、単にV9巨人の強さを分析したにとどまらず、野球というゲームにおける「勝利の本質」をとらえた所にこそある。 その「勝利の本質」とは、「9イニングのどこかで点を奪えば勝てるのが野球ではなく、一刻を争って初回からリードを奪うこと、その試合運びこそが勝利の普遍法則だ」ということ。その証拠が、史上最強のチーム=V9巨人の戦記の中に山程詰まっている。野球の質は変わっても、「本質」は変わらないんだよと、一昔前のスコアブックが静かに語りかけている。
川上監督はV9時代、金田を代打に指名すること27度。実は、後楽園球場の代打では、打率.417という驚異的なハイアベレージを残しているのです。 これは、後楽園球場にかぎっては、野手を含めてV9時代の代打におけるチーム最高打率ですから、ただごとではありません。 V4シーズン(1968年)の7月中日戦、3対4とビハインドの9回裏、川上監督が金田を代打で指名すると、小川健太郎から同点犠飛。この試合は、長嶋が延長サヨナラ打を放っています。また、同じ年の8月大洋戦、2対3の7回に満塁の場面で川上監督が金田を指名すると、今度は2点タイムリーの逆転打を放ちました。(「投打におけるエンターテイナー・金田正一」より)
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全1192試合 V9巨人のデータ分析
小野俊哉
V9巨人は憎らしいほど強かった。その強さは王・長嶋の存在に集約されがちだが、それだけで9年も続けて勝てるものではない。という訳で、V9巨人の強さを全1192試合のデータを基に分析した本が出たと知り、読まずにいられなかった。見出しを見ても「巨人キラーは、シピン、ロバーツ、川藤幸三」「『長嶋はチャンスに強かった』を検証する」「V9のエースは堀内恒夫か、高橋一三か」etc.ノスタルジックな視点からも十分に楽しめる内容だ。但し本書の価値は、単にV9巨人の強さを分析したにとどまらず、野球というゲームにおける「勝利の本質」をとらえた所にこそある。
その「勝利の本質」とは、「9イニングのどこかで点を奪えば勝てるのが野球ではなく、一刻を争って初回からリードを奪うこと、その試合運びこそが勝利の普遍法則だ」ということ。その証拠が、史上最強のチーム=V9巨人の戦記の中に山程詰まっている。野球の質は変わっても、「本質」は変わらないんだよと、一昔前のスコアブックが静かに語りかけている。
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