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父からもうすぐ逝ってしまう君へ

ボブ・グリーン著/桜内篤子訳

ぼくはレストランから駐車場を隔てたモーテルに泊まっていた。食べに来る前に部屋のテレビでゲームをしていた。六〇くらいのチャンネルが映るテレビならできるゲームだ。
一チャンネルから始めて、数秒ずつ見ながらリモコンでどんどんチャンネルを変えていく。最後のチャンネルに行くまで銃が出てこなかったら勝ちだ。(12「子どもは大人の真似をする」より)

ボブ・グリーン久々のコラム集登場!と思い楽しみに読み始めたら、既に手元にある「シボレーサマー」(1999年刊/原題:Chevrolet Summers,Dairy Queen Nights)からの抜粋であった。なぜ10年近く昔のコラムの縮刷版がこの時期に出版されたのかは不明だが、巻末に一行「本書は1999年刊『シボレーサマー』を元に抜粋、改題したものです」との記載を入れてもらいたいものだ。
まあ、苦情はさておき。約10年ぶりにボブ・グリーンのコラムを読んで、日常ふと目にする何でもない些細な出来事も、書き手の観察眼と文章力次第で、こうして十分読み手を楽しませる題材になるのだなぁと改めて敬服させられる。過去の女性問題が仇となってコラムの世界からは身を引いたままだが、何とか復活を期待したい。

道端の売店で、ビジネスマンがガムを買い一ドル札を出してお釣りを受け取った。すこし歩いてからお釣りを見て、戻ってきた。「ガムはいくらだったの?」と聞かれて、売り子がちょっと構えるように答えると、ビジネスマンは「じゃあ多すぎる」と言って硬貨を返した。(19「記事にならない話」より)

[2010年1月28日] この日の感想・書評へ→

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