
伝える本
受け手を動かす言葉の技術。
山本高史
言葉は伝える技術である。
言葉の送り手が言葉の受け手を、自分の望む方向へ動かすための技術である。
それを叶える方法は、送り手が受け手の言って欲しいことを言ってあげることだ。すべてを決めるのは受け手だから、である。(序「言葉を、もういちど。」より)
言葉で人を動かすにはどうすればいいか?著者はたった一行、「受け手の言って欲しいことを、言って欲しいように言ってあげる」こと、と結論付けている。そして「逆もまた真なり」。「受け手の言って欲しくないことを、言って欲しくないように言ってやる」ことで、人を動かすことも可能である。確かに暴走族を「オナラ族」、ストーカーを「つきまとい」、ドラッグを「アホ薬」に変えるだけで、世の中が少しはマシになりそうだ。リストカットも自殺未遂、フリーターも「定職なし」や「無職」とはっきり言ってあげた方が、より早く現実と向き合えるに違いない。ましてや(本書で初めて知ったが)、女性のパンチラ狙いでカメラを低く構える輩を「ローアングラー」と呼ぶなど愚の骨頂である。著者の提言通り「パンチラマン」と蔑んでやれば、そのおバカな響き故に自制する者も現れるんじゃないか。
言葉のプロフェッショナルが、真摯に言葉の在り方と向き合った「良心の一冊」。
ある新聞社が「言葉はときに無力だ」のキャッチフレーズを掲げたことがあった。もちろんそれで終わるはずはなく「それでもまだ言葉を信じている」が言いたいことの結論だったが、そんなところで弱気に逡巡している暇があれば伝わる言葉を送ればよい。その言葉で世の中という受け手を、自分の正しいと信じる方向へ動かせばよい。言葉が無力なのではない。送り手の言葉に技術がないのだ。無力なのはその程度の言葉しか使えない人間なのだ。だから言葉が伝わらないのだ。言葉のせいにするなよ。言葉の力を信じて戦いましょうよ。(第4章「さあ、言葉を伝えよう。」より)



寒菊(千葉)
純米無濾過生原酒
720ml/1365円
北千住「食遊館」の酒売場で試飲販売をしていたので、純米の無濾過を2品試してこの「寒菊」を選択。濃厚かつ芳醇な米の香りと風味を持つ、無濾過生原酒の王道を行くような純米酒である。蔵元の寒菊銘醸は明治16年の創業。先頃大吟醸「夢の又夢」が、モンドセレクションの最高金賞を2年連続で受賞したとのこと。地ビール「九十九里オーシャンビール」の醸造元でもある。肴は成城石井で買ったじゃこ天スティックと鱈子の煮付。
トラックバック(0)