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扶桑鶴(島根)

純米吟醸
1800ml/2950円

前回に続いて札幌「たかさごや」にて。約半時後に晩餐を控えた身ではあったが、どうしても烏賊ゴロが食べたい!ということで、2杯目に所望したのがこの「扶桑鶴」。上品な上立ち香、スッキリとした中にしっかりとしたコシのある辛口タイプ。食中酒としても最適で、烏賊ゴロの旨味を引き立てるバランスの良さを持つ。
蔵元は山口との県境・益田市の桑原酒場。明治36年(1903)の創業で、吟醸以上のお酒は総米600kg以下の小仕込みで行っている。

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ホームランアーティストの美学と力学

田淵幸一

重心は軸足の親指のつけ根からかかとにかけての内側の部分にかかっていなければならない。親指のつけ根にあれば軸足は早く回りやすく、これでは逃げる球や落ちる球に泳がされる。
かかとの内側で地面を押すような感じで一瞬我慢し、ここだというタイミングでかかとを一気に解放すれば、ためた力が足からひざ、腰、上半身、肩、腕をらせん状に伝わっていく。(第二章「美しいホームランを打つ方法」より)

ホームランアーティスト田淵幸一は天才だった、とよく云われた。せめて王の半分でも努力していたら、あと5回はホームラン王が獲れたはず、とも云われた。たぶんその通りだろう。自身の中のとてつもない才能を半分も生かすことなく、生死を彷徨う頭部死球や骨折、花粉症等にも苦しめられ、田淵が放ったアーチは “たったの”474本に終わった。
しかし私を含めた田淵ファンは、彼の屈託のない華やかさを愛した。並の選手が努力では到達し得ない、天才だけが身に纏うことのできる輝きに憧れた。そして何より、滞空時間の長いホームランに酔った。松井秀喜をはじめ、球を力強く遠くへ飛ばせるスラッガーはその後何人も登場したが、田淵の様に美しい放物線を空中に描けるアーチストは、今もまだ現れてはいない。
ただ本書を読めば、その美しいアーチが、決して才能だけの賜物ではなかったことがよく分かる。

腕をたたんでホールをとらえ、腰を回転させながら右手で押す。そうして打球にゴルフでいうフェードをかけて左翼ポールの内側に入れる。
同じインコースでも高めは最も腕が窮屈になるから、脇をしっかり締めなくてはいけない。アウトローは両ひじを伸ばして拾う。私は右より左腕の方が2センチ長かったから、その分拾いやすかった。(第二章「美しいホームランを打つ方法」より)

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