デズモンド・モリス著/藤田統訳
種としての人間は、技術的・知的にすぐれているが、身体活動という動物の特性までをも失ったわけではない。それゆえ、マン・ウォッチャーが関心をもつのは、こうした身体活動である。ヒトという動物は、しばしば自分の動作が、多くのことを表していることに気づいていない。ヒトは言語に重点を置きすぎるので、動作、姿勢、表情が自分を語っていることを忘れがちなのである。(「マンウォッチングとは」より)
人間観察に関する有名な古典的名著。「FBI捜査官が教える『しぐさ』の心理学」と同時並行で読んだが、こちらは600頁を越える大作なので少々時間がかかった。前者が“ウソ”を見破ることに重点を絞った内容であるのに対し、本書はもっと幅広く、社会の中で人々が示す身振り・手振り・眉の上げ下げ・縄張り行動・求愛行動etc.…、あらゆる何気ない人間の動作を観察し尽くしている。 拙い剣道の経験からしても、上級者と相対して竹刀を構えただけで、心の動きを悉く読まれる感覚に捕らわれたものだった。結局文明社会に生きていても、人間というのは百万年前の先祖と同じく、自らの感情や欲望を結構無防備に晒しながら暮らしているもんだなあ…、と改めて痛感させられた次第。
うそをつくもっともよい方法は、信号をことばと顔の表情にかぎることである。 …(中略)うそをつかなければならないのなら、電話で、あるいは壁越しにやりなさい。あるいは、針に糸を通すときや、自動車を駐車場に寄せるときにしなさい。 もし、身体の大部分が相手に見えたり、機械的作業をなにもしていないときに、うそを成功させるのなら、声や顔だけでなく、身体全体でうその動作をしなければならない。(「うそを見破る手がかり」より)
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マンウォッチング
デズモンド・モリス著/藤田統訳
人間観察に関する有名な古典的名著。「FBI捜査官が教える『しぐさ』の心理学」と同時並行で読んだが、こちらは600頁を越える大作なので少々時間がかかった。前者が“ウソ”を見破ることに重点を絞った内容であるのに対し、本書はもっと幅広く、社会の中で人々が示す身振り・手振り・眉の上げ下げ・縄張り行動・求愛行動etc.…、あらゆる何気ない人間の動作を観察し尽くしている。
拙い剣道の経験からしても、上級者と相対して竹刀を構えただけで、心の動きを悉く読まれる感覚に捕らわれたものだった。結局文明社会に生きていても、人間というのは百万年前の先祖と同じく、自らの感情や欲望を結構無防備に晒しながら暮らしているもんだなあ…、と改めて痛感させられた次第。
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