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本州一(広島)

純米吟醸無濾過
1800ml/2800円

どうにも腹の虫が治まらない事があった暑い夕暮れ。早々に仕事を切り上げて開店2分前の千住「酒屋の酒場」へ飛び込む。小ジョッキで喉を潤した後に出された本日の一杯が、この「本州一」純米吟醸無濾過。まるで生酒の様なフレッシュ感だが、どうやら丁寧に一本ずつ瓶燗火入れしたものらしい。フルーティで品の良い吟醸香が特徴で、口当たりもまろやか。芳醇な米の香りが喉に広がる。後味もスッキリとさばけが良く、夏の海鮮ネタと飲るにはピッタリである。
というわけで、肴は鰺酢と鮭の粕焼。その後「陸奥八仙」の純米酒と「雑賀」の純米吟醸を飲みつつ赤貝のひもをつまむ。

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昭和史 1926-1945

半藤一利

歴史にイフはありません。けれども、中国国内も国連もそんな状態ですから、ここで日本がぱっと戦争をやめて天皇がいう不拡大の大方針を守れば、あるいは国際的大事にならなかったと思うんです。ところがそうはいかないんですね。新聞は煽るし、国民は喜ぶし、景気もよくなりはじめるし、軍は「こうなれば満州全部を取っちゃえ」という勢いになり、国際連盟がごちゃごちゃ議論をしている間に、ついに山海関という満州と中国本土の国境線、万里の長城がはじまる突端まで進出し、そこに日章旗つまり日の丸を立ててしまうのです。(第三章「満州国は日本を“栄光ある孤立”に導いた」より)

ここ数年来「昭和」がブームになって久しい。映画「三丁目の夕日」が話題となった前後から、経済が右肩上がりを続け、庶民が“豊かな明日”を信じられた古き良き時代として、肯定的に昭和を捉える論調が増えたようだ。といっても、懐かしさで語られる昭和はあくまで戦後、特に高度成長期以降だけ。大半の人々にとって、戦前から戦時中の昭和史は単なるエピソードであり、自国の近代史を体系立てて知らない事に何ら疑問を感じない人は多い。
ただそんな中、2003年に刊行(ハードカバー版)された本書がロングセラーとなり、遂には文庫化されたのを見ると、自虐史観でも皇国史観でもない、平易でニュートラルな「昭和史」を渇望していた人が実は少なくないのだなと判る。私も授業で教わらなかった戦前・戦時の昭和史を、本書で初めて体系的に知ることができ、読んで良かったと実感している。「歴史は繰り返す」の箴言通り、地続きとなっている過去を理解しなければ、「現代」の本質は見えてこないだろう。

昭和史は、一番はじめに申しました通り、日露戦争の遺産を受けて、満州を日本の国防の最前線として領土にしようとしたところからスタートしました。最終的にはその満州にソ連軍が攻め込んできて、明治維新このかた日露戦争まで四十年かかって築いてきた大日本帝国を、日露戦争後の四十年で滅ぼしてしまう、満州国はあっという間にソ連軍に侵略され、のち元の中国領土となるかたちで戦争が終わるという、昭和史とは、なんと無残にして徒労な時代であったかということになるわけです。(むすびの章「三百十万の死者が語りかけてくれるものは?」より)

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