昭和史 戦後編 1946-1989
半藤一利
そうこうするうち、いよいよ日本は講和条約を結ぶことになりました。何度も申しますが、朝鮮戦争のさなか、日本を早く独立国にして味方陣営に入れ込もうというアメリカの戦略を背景にして、条約は昭和二十六年(1951)九月八日、サンフランシスコで結ばれました。発効は翌年ですが、ともかくこの時から戦後の独立国日本がスタートします。そしてかたちとしては、親米的な、アメリカの傘下に入った、同時に重装備の軍事力を持たない「通商国家」として国際復帰することが決定づけられたのです。(第九章「新しい独立国日本への船出」より)
歴史というものは、一定期間を隔てて俯瞰しなければ正確な評価を下せないとされる。その意味では「昭和史」も、個々の出来事を表裏から客観的に評価しつつ、歴史全体における意味づけが定まるのは、せいぜい昭和四十年代迄かも知れない。そのため本書では一応終戦後から昭和天皇崩御に至る43年間を扱ってはいるが、本編550頁中300頁以上は占領下からサンフランシスコ講和条約に至る昭和二十年代の事象に割かれている。そして続く200頁以上は昭和三十年代の高度成長から四十七年の沖縄返還迄となっており、五十〜六十年代は駆け足でなぞられたに過ぎない。いずれ誰かが、「昭和元禄」と言われたこの時期を客観的に意味づけてくれるのだろうか。
ちょうど平成元年に所帯を持ったこともあり、昭和は我が身にとって、精神的にも戸籍上も“子供でいられた”甘美な郷愁に彩られている。本書はそんな昭和「後期」のお気楽世代にとって、自らの立ち位置を知るための良い読書体験となった。
翌四十七年(一九七二)五月十五日、沖縄の施政権が日本に完全に返還され、沖縄県が発足しました。戦後二十六年たって、ようやく一道一都四十二県が「四十三県」になったのです。考えてみれば戦後二十六年間もずっと沖縄がアメリカ占領下にあったこと自体おかしな話で、六十年安保で戦後の葬式を済ませたと前に言いましたが、そういう厳密な意味では戦後日本はやはり終わってなかったかもしれなかったんですね。実際は現在もまだ北方四島が残っていますが、これはソ連が相手ですから別問題となりまして、そもかくこの沖縄返還で日本の戦後は一応、終わったとみていいのではないかと思います。(第十五章「昭和元禄の“ツケ”」より)



阿櫻(秋田)
純米吟醸
720ml/1500円
宅飲み用に「食遊館」で購入。目立つ位置に「秋田酵母No.12」のラベルが貼られてあるが、これは秋田県醸造試験場と秋田県酒造組合が、主に純米酒向けとして共同開発した新しい酵母。軽快で爽やかな上立香を特徴とし、まろやかで後味きれいなタイプの酒が多い様だ。この「阿櫻」純米吟醸もその特徴通りの味わいで、リンゴの蜜に似たフルーティな風味を持つ。原料米は秋田小町(55%精米)。蔵元は明治19年創業の阿櫻酒造。北海道産の鮭とばを炙りながらちびりちびりと。
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