思考のレッスン
発想の原点はどこにあるのか
竹内薫・茂木健一郎
茂木 われわれの共通の師匠である養老孟司さんが外国人にいつも言われるっていう「日本人はほんとの意味で生きていない」っていうのは、そういう意味でしょ。
竹内 そうそう、そうなんだ。
茂木 自分の中に基準がない。
竹内 そう、基準ないなあと思うことが多くて。さっきの話じゃないけど、今、エネルギーがぱっと切れたら、たぶん無法地帯になりますよ。(対談1「危うさに対する感受性の欠如」より)
本書の趣旨を手短にまとめるなら、一芸に秀でて成功するのは難しいが、多芸の合わせ技で人生を乗り切ってみたら案外やれるよ、という「なんでも屋のススメ」である。共著のような体裁だが、全体の2/3に当たる地の文は竹内薫によるもの。「思考のレッスン」というタイトル程の知的刺激はないが、数々の実例を挙げながらの、「専門バカではダメ、積極的に学問的領域の壁を乗り越えよ」とのご両人の主張には賛同する。
そういえば高三を迎える前に進路選択があり、理系の成績が壊滅的状況だったため躊躇なく文系を選んだが、もともと小学高学年の頃まではラジオを組み立てたり、ハム(無線)の免許を取るため電子工学の初歩を繙いたりしていたことを、本書を読みながらふと想い出した。誰しもちょっとした思い込みと巡り合わせで、自分の可能性を自分で狭めてしまう瞬間があるのだろう。
竹内 でも、自分が理系人間か文系人間かで悩むことはなかった?…(中略)
茂木 いや、理系か文系かって、世の中の人が普通はそういう発想するってのはよくわかってるけども、僕にはその気持ちはよくわかりません、そういうのは。
竹内 じゃあ、子どもの話っていうことで、子どもが進路を決めようと迷ってるとするね。それでたとえば数学が苦手なら、じゃあ文系を勧めるのか、とかそういう発想で訊いてみたいんですけど。
茂木 いや、だから俺はそういう発想自体がテンション低いと思うんですよ。(対談2「見ている方向は一〇〇年後」より)


神月(秋田)
生もと純米
720ml/1034円
よく見ると英字新聞で全体を包んでおり、「杜氏藤田喜代美隠し酒」のラベルが貼られている。米は美山錦を59%精米し、酵母は1701号を使用。世界最大のブナ原生林が育んだ白神山地の水で仕込んでいる。生もと純米の割には比較的口当たりが素直でクセがなく、比較的万人受けする飲みやすいタイプ。燗を付けると飲みやすさが増す。
蔵元は明治12年創業の小玉醸造。元々は醤油・味噌の醸造を手がけたことに始まり、大正2年から清酒造りをスタート。「太平山」が主銘柄である。肴は初日が筋子の醤油漬、舞茸/椎茸のバター醤油炒め、豚タン塩焼。開栓翌日は〆鯖とおでん。北千住「ザ・プライス」にて購入。
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