なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか
ダウエ・ドラーイスマ著/鈴木晶訳
老齢とともに、私たちはだんだん、ゆっくりと時を刻む昔の旅行用携帯時計になっていくらしい。歯車は、以前のように速すぎたり遅すぎたりということはなく、ゆっくりと規則正しく回るだけである。自分自身のずれを承知している人は、それを計算に入れて、以前と同じくらい正確に時を判断できるだろう。(第14章「なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか」より)
図書館で、タイトルに惹かれて思わず手に取った。誰しも感じている普遍的な問いであろう。そして答えは、本書によればどうやら下記の三つの複合体の様だ。
第一は「望遠鏡効果」。人は昔の出来事に実際より近い日付をつける習性がある、と実験で証明されているそうだ。
第二は「レミニセンス効果」。幼い頃は印象に残る“初体験”の出来事が多く、参照できる“時間標識”が多いため想い出せる事柄も多く、結果的に最近の事の様に感じてしまうというもの。(ちなみに私の場合、二十代前後の記憶は1985年の阪神の優勝が“標識”となり、多くの出来事がその周りをグルグル回っている。)
そして第三が「体内の生理時計のリズム」。歳を取る毎に体内メトロノームが減速していくという理由だ。
なるほど、納得である。ただ答えが解ったところで、年々速まる時の流れは如何とも出来ない。
人生の朝のうちは、人はまだその川よりも速く、川沿いを颯爽と走っている。正午ごろになると、スピードはいくらか落ちてきて、川と同じ速度を保つ。夜に近づくと彼は疲れ、川のほうが速く流れるので、彼は遅れていく。ついに彼は立ち止まり、川べりで横たわるようになるが、川はそれまでずっと流れてきたのと同じコースを、何事もなかったかのように、変わらぬ速度で流れ続けている。(第14章「なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか」より)


旭興(栃木)
特別純米二段式酸基醴もと
1800ml/2730円
「さくら亭」の主人に燗で旨いのを所望し、出されたのがこれ。聞き慣れないこの商品名「二段式酸基醴もと(にだんしきさんきあまざけもと)」は、明治30年頃考案され幻に終わった酒母の製造方法で、糖化した米・米麹に乳酸菌を添加して乳酸発酵させ、その後酵母を添加、再び米・米麹を糖化させたものを添加する酒母の製造方法である。生もと系独特の乳酸の香りはあるものの、生もと程の乳酸臭さはない。まろやかな風味と口当たり。常温と飲み比べると、燗で味が開くのがよく分かる。
蔵元は明治25年創業の渡辺酒造。肴は鮪の酒盗とクリームチーズ。
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