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第1感

「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
マルコム・グラッドウェル著/沢田博・阿部尚美訳

どのジャムがおいしいか無意識のレベルではわかる。…(中略)…でもなぜそう思うのか、しかるべき言葉で説明しろと急に言われても、その言葉の意味がわからない。たとえば食感、いったいどういう意味だろう?これまでジャムの食感について考えたことなんてないかもしれないし、そもそも深いレベルではあまり気にしていない特徴なのかもしれない。だが今、食感という概念が意識に加わった。食感について考えてみて、ちょっと変かもしれないと判断する。もしかするとこのジャムはおいしくないのかもしれないと思う。(第5章「プロの勘と大衆の反応」より)

第一印象は結構当たる、というのは多くの人が経験則として感じている。また、テスト問題の選択肢で迷った時も、最初に浮かんだ答えを選ぶと正解だったりするケースが多い。こうした理屈ではない直感、瞬時の判断というのは意外と侮れないし、本書にはそうした「第1感」の普遍的な経験を、実証的に裏づける事例や研究成果が様々な角度から紹介されている。
例えば他人の心を読むことに長けた人は、相手の些細な表情や声のトーンなどから、瞬間的に何かを“感じる”能力に優れているのだろう。本書によると人間の顔の表情の組み合わせのうち、意味を持つものは約三千通りにも上るらしいので、その察知能力は文字通り理屈ではない。
「燃えよドラゴン」のブルースリーの名台詞にある通り、「Don't Think. Feel!」である。

すぐには信じられないかもしれない。私たちはまず感情を体験し、それから顔にその感情を出す(あるいは出さない)ものだと思い込んでいるからだ。顔の表情は感情のおまけ、というわけだ。しかし、このプロセスは逆方向にも働くことが実験で示された。感情は顔の表情から始まることもあるのだ。顔は内面の感情を表す副次的な表示板ではなく、寛恕のプロセスにおける対等なパートナーだったのだ。(第6章「心を読む力」より)

[2011年2月 7日] この日の感想・書評へ→

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