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菊姫(石川)

にごり酒
1800ml/2000円

再訪「日本酒宿 七色」での二杯目。本日オススメの料理に「ごっこの卵肝和え」という見慣れぬ品書きがあったので、それを注文。ごっことは魚の名前で、肝はまったりと濃厚な豆腐に似た食感を持ち、一緒に煮付けて和えた魚卵がアクセントとなっている。
それはさておき、では「この肴に合う酒は何かな?」ということで、出されたのが「菊姫」のにごり酒。なるほど、濁りにしては意外に甘味が少なく、後味のキレも良いので存外ピッタリの組み合わせだ。こういう合わせ方もあるのかと、一つ勉強になった。

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新華僑 老華僑

譚路美・劉傑

だが戦争が激化すると、行商人はスパイ行為を疑われて特高の監視対象となり、逮捕者が続出し、強制送還される者も多くなり、全国ネットワークは崩れ去った。 一九三七年十二月、全国の華僑の逮捕者は三百六十二人にのぼり、上海へ強制送還されたり、拘禁されて拷問を受けたりした。(二「神戸−ふたつの中国世界が混在する町」より)

かれこれ17、8年前。家族が寝静まった真夜中にふとテレビをつけると、テレビ画面の中に祖母がいた。「何で?」思わず声を上げてしまった。訳が判らない。
ともあれ、気を取り直して番組を見続けていると、戦時中、神戸で大勢の華僑の行商人がスパイ容疑で連行、拷問を受けた事件をテーマにしたドキュメンタリーだった。そして行商人だった私の祖父も、隣家の知人と共に連行され拷問を受けたが、特高の中に善意の人がいて、冤罪に気づき助けてくれたという。ただ、共に連行された知人は既に拷問で命を落としていた。祖母はその悲しい事件の語り部として登場していた訳だ。
祖父が逝ってから39年。幼い頃は時々一緒に山登りをしたが、とても寡黙な人で、そんな話を聞かされた記憶はない。祖母や父や親戚の誰も、私にそんな過去を語ってくれた事はなかった。
自分の家族の物語を偶然テレビ番組で知ったという、嘘のようなホントの話。

「神戸はフレンドリーな町ですよ。よそ者が多い町です。日本人の次男坊たちが田舎から出てきて作った町なのです。次男坊とはつまり、よそ者なのです。それに西洋人と中国人がいる。みなゆったり仲良く暮らしています」と、藍氏は目を細めて語った。
そういえば、作家の陳舜臣氏もこう語っていた。
「神戸はゆったり上品な町で、魅力的なところです。台湾でもいくども夢に見ました。『出船入船』による出会いと別れが頻繁にあるのですよ」(二「神戸−ふたつの中国世界が混在する町」より)

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