Sake Honpo Style Standard Blog Style

最近飲んだ酒最近飲んだ酒

朱鷺(新潟)

吟醸生貯蔵酒・アルミ缶入り
180ml/315円

久々に新幹線で軽く一杯飲みたくなり、東京駅の弁当売場で「深川めし」と一緒に買い込んだ。意外としっかりと味の乗った、まろやかな飲み口の旨辛吟醸酒。「深川めし」の中味はベースのあさりご飯に加え、ハゼの甘露煮や焼き穴子等全体に甘めの味付けが多く、相性は悪くなかった。蔵元は長岡市にある文政10年 (1827)創業の美の川酒造。「朱鷺」の銘柄は1969年、上越線の特急「とき」号での車内販売をきっかけに付けられたもので、売上の一部を長岡市の朱鷺の保護活動に寄付している。

トラックバック(0)

1108_02.gif
 

近頃読んだ本近頃読んだ本

小説コント55号

いくよ、二郎さん はいな、欽ちゃん
山中伊知郎

もし欽一が下宿にいなかったら、坂上はたぶんまた再び電話をかけたりしなかったろう。元来、欽一と親しかったわけではない。坂上がフッと懐かしくなってかけてしまった、ほんの「出来心」だったからだ。
人間の力の及ばない世界の誰かが、二人を再会させるためにかけさせたとした思えない一本の電話。
あるいは、いつも欽一がお祈りをしていた夜空の星が、二人をもう一度引き合わせてくれたのかもしれない。(第七章「運命的再会」より)

思えば、コント55号は相当に斬新だった。漫才でも喜劇でもない「コント」という新しいお笑いの様式もさることながら、テレビ画面の枠をはみ出すパワフルな狂気と、「野球拳」に代表される確信犯的な俗っぽさが、理屈抜きで子供心を鷲づかみにした(そのぶん世の親たちには大いに顰蹙を買って嫌われたが…)。
やがてブームは沈静化し、欽ちゃんは一時の低迷を経て「欽どん」「欽どこ」など、家族で安心して楽しめるお笑いへと芸風を昇華。二郎さんは「夜明けの刑事」など演技の世界へ活躍の場を移したが、一定世代以上の人にとって、永遠に二人は「コント55号」の欽ちゃんと二郎さんである。そんな二人が浅草時代は互いに反目していたこと、二人が世に出るために事務所社長の人一倍の熱意と努力があったこと等、本書を読んで初めて知った逸話も多い。会話や描写が妙に青臭かったりもするが、それも「昭和」の空気感なのかなあ〜と思わなくもない。

いくら動きが身上の浅草のコメディでも、こんなに派手なアクションを次から次へと繰り広げる人たちはかつていなかった。彼らのコントには湿った義理人情も、練り上げられた話術も、台本に基づいた緻密な計算もなかった。
あるのは狂ったままの状態で舞台を右へ左へ走り回る二人の男と、狂ったようにそれを笑い転げる観客たちだけだ。すべてはハプニングだった。(第八章「コント55号結成」より)

トラックバック(0)

1108_02b.gif