ヘーゲルを総理大臣に!
小川仁志
私たちの生きる場である市民社会を支えるものが労働で、その市民社会の土台のもとに国家が成り立っているというのがヘーゲルの考えです。ということは、少し大げさにいうならば、国家を支えているものは労働にほかならないということもできるわけです。
そう考えると、働くということほど意義あることはありません。どんな仕事であれ、国家を支える土台の一部なのですから。(第11章「認め合うこと」より)
ブックカバーなしで四十男が読むには少々辛い表紙。内容も一口で言うなら、低成長や貧困化、就職難等で閉塞感を抱く若年層向けに、政府や社会に失望しているだけではダメ、社会に積極的に関わる生き方こそが新しい社会と国家を作り上げるんだよ、と説いている。第一部では「貧乏人は救うべきか?」「なぜ働くのか?」「家族に意味なんてあるのか?」「僕らは本当に自由なのか?」等々のテーマを、社会との関わりに悩む若者と著者との対話形式で問題提起。続く第二部ではヘーゲル哲学を元に、これらの議論を総括し解き明かしている。その骨子は「認め合うこと」「つながること」「生きること」の三つ。至って判りやすい。
ただ論点と論旨がシンプルに整理され過ぎたせいか、「何かヘーゲルっぽくないなぁ?!」という違和感が読み終えた後も消えなかった。
ヘーゲルは自由のことを「他在のもとにありながら自分のもとにあること」と表現します。他者にかかわりながら、その中で自分を維持するという意味です。自由というのは社会の秩序を無視することではけっしてなく、むしろその秩序に従いながら、現実を変えていくことなのだと。これは抽象的自由に対して具体的自由とも表現されます。
このようにいうと、「そんなのは本当の自由じゃない」という人がいます。これは自由と恣意とを取り違えているのでしょう。(第13章「生きること」より)


仙介(兵庫)
夏純米・一火
720ml/1365円
店主が代わった新生「粋酔」のリニューアル1ヶ月記念と、常連T氏の勤続三十●年退職祝いを兼ね、店の奥を貸し切り有志でささやかなる酒宴を開いた。その席を飾ったのがこの「仙介」夏純米・一火。「一火」とは瓶詰め時の一回加熱のこと、要するに生貯蔵酒である。原料米は兵庫県産山田錦と五百万石を使用、瓶の佇まいも涼しげな夏仕様である。味も夏らしく、中辛口の軽快なすっきりタイプ。肴はトマト・モッツァレラ・バジルのサラダ、ブルスケッタ、ポテトのお好み焼etc.。
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