選択の科学
コロンビア大学ビジネススクール特別講義
シーナ・アイエンガー著/櫻井祐子訳
わたしたちは選択の結果だけでなく、選択の進化を通して自分探しをする、彫刻家なのだ。発想を変えて、選択が流動的なプロセスであることを受け入れれば、選択は、なりたくない自分をたたき壊す破壊の力ではなくなり、わたしたちを解き放つ、継続的な創造活動になるのだ。わたしたちはいま意味をなす選択、いま置かれている社会的状況の中で自分の必要を満たすような選択を行わなくてはならない。(第3講「『強制』された選択」より)
人生は選択の連続である。進学や就職、結婚といった人生の岐路は勿論のこと、仕事上や日常生活での細々した選択の積み重ねが、少しずつ運命の歯車を変えてゆく。それ故に人は選択の自由を希求し、豊富な選択肢の中から納得のゆく答えを選び出したいと願う。そのくせ、山のような選択肢が目の前に広がると人は迷い、困惑し、その結果占いに頼ったり、くじ引きやコインの裏表で答えを決めたりする。選択の自由を渇望するのも人なら、選択肢が多すぎると選べなくなるのも人。実に矛盾しているが、思い当たる人は多いに違いない。
食品店の試食コーナーに24種のジャムと6種のジャムを並べた時、6種の時の方が圧倒的に売上が多かった、というのが「ジャム研究」であり、この著名な研究で学者として名を馳せたのが著者である。戒律の厳しいシーク教徒の家に生まれ、幼い頃に視力を失った彼女は、選択の自由が少ない自らの境遇をバネにして、徹底的に「選択を科学する」道を選んだのだろう。マーケティングに携わる者なら必読の良書。
選択は、人生を切りひらく力になる。わたしたちは選択を行い、そして選択自身がわたしたちを形作る。科学の力を借りて巧みに選択を行うこともできるが、それでも選択が本質的に芸術であることに変わりはない。選択の力を最大限に活用するには、その不確実性と矛盾を受け入れなくてはならないのだ。…(中略)…選択の全貌を明らかにすることはできないが、だからこそ選択には力が、神秘が、そして並はずれた美しさが備わっているのだ。(最終講「選択と偶然と運命の三元連立方程式」より)


ダイヤ菊(長野)
吟醸生貯蔵酒
300ml/500円
今年2回目の「ダイヤ菊」。言わずと知れた小津安二郎愛飲の銘酒であり、今回は吟醸生貯蔵酒を頂く。美山錦を59%精米し、アルプス酵母で醸したもの。グラスに注ぐと程良い吟醸香が漂い、飲み口も甘すぎず辛すぎずクセのない素直な味わい。
肴は揚げ出し豆腐、鯨のたれ漬(干物)、ゴーヤ炒め、ゲソ天ぷら。ニュー新橋ビル地下の「ダイヤ菊」直営店にて。
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