考える野球
野村克也
プロの世界でやっていくなら、ピッチャーもバッターも内角に強くないと生き残れない。いかに内角を攻められるか、あるいは内角の珠をうまくうちこなせるか。ピッチャーはどうしてもぶつけるのが嫌だから内角を攻めきれない。一方のバッターは内角を打ちこなせないから踏み込めない。だから、内角に強くなったものが生き残れる。ここが勝負どころになる。(第一章「考える力が一流を生む」より)
野茂や伊良部など、数々の日本人メジャーリーガーの代理人として知られる団野村氏は、ノムさんの継子(沙知代夫人の連れ子)であり、実はビジネス面でもノムさんの代理人を務めている。本書のウリは、巻末にこの二人の往復書簡が5通収められていること。義理の親子ということもあって、内容はあまり鋭く切り込んだものにはなってないが、それでも「個人事業主のプロ野球選手が契約を他人任せにしたら、人間形成の面でいいことは一つもない」というノムさんに対し、団は「選手が契約交渉の席につくことが、人間形成に役立つとは思わない」との持論を返し、「代理人は儲かるのか?」というノムさんの直球の問いには、「もうからない。僕がそう言うと『嘘だろ』と思う方が大勢いるでしょうが」と団が答えるなど、興味を惹く問答も所々にある。そしてメジャーへの思いについては、「もう少し若ければ監督として行ってみたかった」というノムさんに対し、「一番連れて行きたいのが野村克也という監督」だと団も答えている。
メジャーでは今年、80歳のJ・マッキオンがマーリンズの監督として復帰し話題となった。あながち夢物語ではないかも知れない。
日本人選手がメジャーリーグに移籍する上で分岐点になったのは確かに野茂選手ですが、本当に大変な思いをしたのは伊良部秀輝選手の時です。この移籍の時はいろんな議論が起こりましたし、僕も相当に非難されました。ただ、伊良部選手の移籍という段階があったことで、今日のメジャーリーグへの道(ポスティングシステムなど)が整えられました。
そして、今、日本人メジャーリーガーが特別な存在でなくなった段階で、僕がメジャーリーグにいちばん連れていきたいと思っているのが野村克也という監督です。(巻末付録「野村克也・団野村『往復書簡』」より)


天鷹(栃木)
瑞穂の郷・純米
1800ml/2100円
五百万石とあさひの夢を65%磨いた+7、酸度2.0、アルコール度数16.3の辛口だが、コクがありながらも意外にすっきりとした口当たりである。
蔵元は大正3年創業、年間2000石を醸す大田原市の天鷹酒造。2002年から8年連続鑑評会で金賞を受賞した、栃木でも有数の銘醸として知られている。また2005年からは有機清酒を手がけ、「有機農産物加工酒類」と表示する基準を満たす数少ない蔵でもある(全国でも10蔵程度)。新橋「名酒センター」にて。
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