春嵐
ロバート・B・パーカー著/加賀山卓朗訳
「あんたは闘い方を知っている」彼が言った。
「そうだ」
「教えてほしい」
「酒をコントロールできないかぎり、時間の無駄だ」
「飲まずにもいられる」
「そうする理由がないだけで」私が言った。
「そうだ」彼が言った。(「12」より)
いよいよスペンサーシリーズともお別れ、正真正銘の最終作である。相棒ホークが前作(盗まれた貴婦人)に続いて登場しないままシリーズが終わったのはいかにも残念だが、当の著者自身が自らの急な死を予感してなかっただけに、今さら言っても詮無い事だ。
さて、なぜか「春嵐」と訳されているものの、原題は「sixkill」。その題名通りの名を持つ若者ゼブロン・シックスキル(通称Z)が、準主役として初登場する。このZが実に魅力的なキャラクターで、スペンサーは彼をさんざん打ちのめした後にその再生を引き受け、一人前の男となるべく心身共に鍛え上げてゆく。そしてクライマックスでは二人で死地へと乗り込み、命懸けの瞬間を共有するに至る。古くからのファンにとっては、シリーズでも人気の高い第7作「初秋」を思い起こさせる構成であり、恐らく著者も新たなキーマンとして、今後も引き続きZを登場させる心積もりでいたのだろう。
この先、Zとホークが初めて出会う場面を想像するだけでもワクワクさせられるが、残念ながら永遠にそのシーンを読むことはできない。
「Zは、あくまで限定的な私の視点から見て、日々あなたに似てきている」スーザンが言った。「私には、最初からかなりあなたに似ていたのではないかと思えるわ」
「大きくハンサムで、並はずれた体を持っている点で?」
「もちろん」スーザンが言った。「だから、そもそもあなたのところに来たのかもしれない」
「自分に似てたから?」
「どこか無意識のレベルで、自分に近いと感じたのかもしれない」(「48」より)


夏どぶろっく(青森)
活性純米にごり酒
1800ml/2415円
「陸奥八仙」で知られる青森・八戸酒造の、夏期限定の活性にごり酒。原料米に華吹雪とむつほまれを使用(70%精米)。シャンパンと同じ瓶内二次発酵で、アルコール度数 16〜17のスッキリとしたシュワシュワ感と、にごり酒にしてはさっぱりとした口当たりの軽さが魅力である。蔵元によれば震災の影響により、若干例年よりも微炭酸の発泡具合が弱めとのことらしいが、初めて飲んだので全く気にならなかった。
北千住の立ち飲み「南蛮渡来」にて。
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