Sake Honpo Style Standard Blog Style

最近飲んだ酒最近飲んだ酒

田从(秋田)

山廃純米無濾過詰原酒
1800ml/3150円

「たびと」と読む。人という字が二つ並んだ珍しい漢字。じっくり熟成された味わいの深さとキレのよい酸味を特徴とし、辛口で飲みごたえのあるフルボディの山廃純米無濾過原酒。口の中でグッと来る深い旨味と、深みのある酒質、柔らかな舌ざわりが楽しい。阿波山田錦を70%精米し、協会901号酵母で醸している。
蔵元は大正7年創業、「朝乃舞」をメインブランドとする秋田県平鹿郡の舞鶴酒造。奥羽山脈の融雪伏流水である琵琶寒泉を仕込水に使用している。
肴は造り盛合せ(シマアジ・鰹・鱧)、クリームチーズの酒粕漬け、酒盗、豚の角煮など。かつて梅田のDDハウスにお店があった頃に訪れて以来、久々の訪問となった大阪第3ビルB1「麦太郎」にて。

トラックバック(0)

1109_05.gif
 

近頃読んだ本近頃読んだ本

今夜もひとり居酒屋

池内紀

居酒屋は人生の夜学であって、たのしく酔いながら、いわず語らずのうちにさまざまな勉強のできるところだ。その校門を出ていくとき、けたたましいベルが鳴ったりしない。もっと風雅であって、夜風がきちんと時間の推移をおしえてくれる。(「人生の夜学」より)

本格的に独りで飲み始めてから、“知り合い以上・友達未満”といった顔なじみが増えた。お互い過去も素性も詳しくは知らず、勤め先や年齢さえ知らなかったりする。店で顔を合わせると酒杯を手に楽しく時を過ごすが、帰りたくなれば「お先に」と切り上げるし、飲み足りなければ誘い合わせてはしごをする。若い頃は友人や職場の先輩と飲みながら熱い議論を交わすのが常だったが、四十の坂を越えいろんなしがらみが増えるにつれ、酒場での緩い人間関係に心地よさを覚える様になって来た。特に行きつけの店ができて居心地が良くなると、楽しさと快適さは倍増する。勿論快適な空間を見つけるためには、ある程度の身銭を切る必要があるのは言うまでもない。
そもそも夜の巷で授業料を収める程、酒場での立ち居振る舞いや作法は様になってゆく。飲み方、酔い方、仕草、店の人への態度、引き際、勘定の払い方等々を通じて、その人の品性は自ずと顕れて来るのである。だからこそ、人様から「反面教師」と目されない様な飲み方を磨くため、今宵も独り酒場へと向かう。

足しげく通うからといって誰もが「おなじみさん」になれるわけではない。店のことを何だって知っていても、大切な常連さんというのでもない。居酒屋と常連の関係は、父親と子供のそれとよく似ている。父親になるのは簡単だが、父親でありつづけるのは難しい。それと同様に、おなじみになるのはたやすいが、常連でありつづけるのは難しい。…(中略)…主人と常連の関係の難しいのは、親子の関係が厄介なのと同じで、親しみすぎてもよくないし、知りすぎるのも考えものだ。(「おなじみさんのあり方」より)

トラックバック(0)

1109_05b.gif