コトラーのマーケティング3.0
ソーシャルメディア時代の新法則
フィリップ・コトラー他著/恩蔵直人監訳
マーケティング3.0では、マーケターは人びとを単に消費者とみなすのではなく、マインドとハートと精神を持つ全人的存在ととらえて彼らに働きかける。消費者はグローバル化した世界をよりよい場所にしたいという思いから、自分たちの不安に対するソリューション(解決策)を求めるようになっている。混乱に満ちた世界において、自分たちの一番深いところにある欲求、社会的・経済的・環境的公正さに対する欲求に、ミッションやビジョンや価値で対応しようとしている企業を探している。選択する製品やサービスに、機能的・感情的充足だけでなく精神の充足をも求めている。(第1章「マーケティング3.0へようこそ」より)
マーケティング界の第一人者による最新の論考ではあるが、もはやマーケティングは、「4P」に代表される古典的枠組みを完全に脱した感がある。
本書によればマーケティングの進化は三段階にわたる。「1.0」の時代は製品(プロダクト)を中心のマーケティングで、プライス、プレイス、プロモーションの4Pを最適化することが主眼であった。次の「2.0」は顧客志向。市場を細分化してターゲットを明確にし、製品を上手くポジショニングすることが求められた。
それに対し「3.0」とは「価値主導」のマーケティングであり、今後は社会的な「価値創造」こそが消費者を惹き付けると説く。特に大手企業に対しては、収益最優先の従来型発想からいち早く脱却し、自社のミッションや存在価値、人類社会へのビジョンを提示する発想がなければ、いずれ行き詰まるよと警鐘を鳴らす。消費者同士がネットを駆使して対話・協働する世界では、もはや企業論理のマスマーケティングは通用しない。
原著の出版は昨年5月だが、日本で起きた今回の大震災を通じて、本気で自社の「社会的価値」を事業に組み込む事こそが最強のマーケティングになる、という本書の主旨に共感する人は増えたはずだ。
やがて人びとは、企業に利益創出の推進役ではなく社会文化的発展の推進役になることを期待するようになる。ますます多くの消費者が、公的・社会的課題にどの程度取り組んでいるかを、企業を評価する基準のひとつにするようになるだろう。一部の企業は、社会的課題を自社のキャラクターの基本に織り込むことによって期待に応えるかもしれない。それらの企業は社会を変化させる。その時点で、それらの企業はマーケティング3.0の段階に突入しているのである。(第7章「社会文化的変化の創出」より)


Cicala(福岡)
純米吟醸生
1800ml/2625円
「麦太郎」での4杯目。「三井の寿」(みいのことぶき)の夏期限定純米吟醸生酒。「Cicala・チカーラ」とはイタリア語でセミという意味である。自家培養の9号系で「りんご酸」を多く出す酵母を使用しているため、爽やかな酸味を持つ。飲み口も全体的に程よくキリッと引き締まり、後味も良い。米は夢一献 (50%精米)。
蔵元の井上合名会社は大正11年創業。筑後川に注ぐ小石原川の清流沿い、 のどかな美田の広がる筑後平野の三井郡太刀洗町にある。
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