行動経済学入門
真壁昭夫
低所得層が住宅価格の永続的な上昇への期待を過度に高め、そして、多くの投資家が住宅価格の動向次第では「諸刃の剣」となり得る消費システムに心酔した米国住宅バブルも、もとはといえば、米国の住宅価格が上昇し続けるという一種の幻想と、そこから得られると予想される利益額を大きく見たことによるものだった。それは、価値関数と決定の重みづけのの融合の典型例と見なすことが可能だ。(第2章「なぜ合理的に決められないのか?」より)
伝統的な経済学は、無重力・真空状態を想定した物理学の様なもの。理論的に正しくとも、地球上の現実としては必ず誤差が生じる。おまけに感情を持つ人間が絡んでいるから、その誤差は物理学とは比較にならない程大きい。そもそも「全ての人間が合理的に行動する」という前提に無理があるのだ。人間はそんなに単純な生き物ではない。
という訳でここ数年注目を集めているのが、人間の心理状態を分析することによって、各経済主体がどの様な意思決定を行うかを考える「行動経済学」である。更に近頃では、脳機能の研究と行動経済学が融合した「神経経済学」という分野も誕生。生物の経済的行動とそこに介在する感情、それを司る脳の動きを体系的に分析する動きが進み始めているらしい。こうなると大脳生理学との線引きが難しいが、そもそも経済活動は「神(の見えざる手)」が主役では決してなく、あくまで人間による社会的営みであるのだから、経済学としてはきっと正しい方向に進んでいるのだろう。
消費者は、「デフレ環境下では、商品の低価格化が定常化する」という考え方を持つ。また、企業サイドも、業界他社の低価格販売路線を目の当たりにし、「低価格の商品は売れる」といった先入観を抱く傾向が高まる。そして過去長い間、デフレが潜在的に影響してきた日本経済にとってはこうした心理バイアスの与える影響は大きい。
こうした状況下では、量的な緩和などデフレ脱却を目指す政策が、マクロ経済に与える効果は限定的になってしまう可能性は高い。(第4章「行動経済学はどこまで応用できるのか?」より)


雪紅梅「初聲」(新潟)
吟醸
720ml/1890円
酒杯に注ぐとほのかに吟醸香が立ち上り、口当たりは柔らかく喉越しも軽いが、程よい旨味とコクが舌の上に広がる中辛口タイプ。原料米は雄町(55%精米)。
「瑞冠」の蔵元・山岡酒造は江戸宝暦年間の創業。1983年より酒米の低農薬・有機農法による契約栽培を始め、自社田も含めた5haの水田で亀の尾を中心に雄町、八反錦などを栽培。仕込水は県内有数の酒造用名水である有田湧水(中軟水)を使用し、少量手作りの最新の醸造管理ながら、上槽は昔ながらの櫓しぼりにこだわっている。
肴は鰹のたたき、鮭の刺身、馬刺、鶏胸肉のタンドリーチキン風ソテーなど。
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