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朝日鷹(山形)

本醸造
1800ml/1937円

仙台「酒蔵大沼」での二杯目。カウンターに「十四代」でおなじみ、村山市富並にある高木酒造の普及酒「朝日鷹」を発見。関西でも関東でもなかなかお目にかかれないので、思わず注文した。山形県産の美山錦と龍の落とし子を60%精米しブレンドしている。十四代と共通点の多い濃厚な飲み口を持ち、甘味が強めでコクがある本醸造らしからぬタイプ。
肴はモツ煮。

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原発報道とメディア

武田徹

脱原発を進めるのなら、特に廃炉が予定されている福島第一原発周辺では、雇用確保や生活保障などの措置がなければ、立地住民は被災、避難に続いて生活再建の困難という不幸を強いられる。
ここにローティが述べていた「罪なき人を助ける公共的善行を行うために、多少の犠牲はやむをえない」と考える発想、あるいは、そうした犠牲が出ていることすら気づかない残酷さがうかがえるとは言えないか。
ジャーナリズムはこうした残酷さに敏感でなければならない。(第9章「マスメディアと反検索型ジャーナリズム」より)

先頃、世田谷区で局地的に高い放射線量が測定され騒動になった。結局は原発事故とは無関係の「ラジウム放置」が原因と判り騒ぎは収まったが、日常的に放射線の健康被害を憂慮しつつ今後も現場近くで住まざるを得ない人たちは、ワイドショーでの大仰な騒ぎぶりとその後の急速な話題の鎮静化を、どんな気持ちで眺めていたのだろう。
原発の是非については、厳密な意味での客観性が保証された情報が提示されない以上、ジャーナリズムが真っ向から「公正」「正義」を振りかざしても議論は噛み合ないし、結局は誰も救われない。世の風向きは原発廃止へと流れてはいるが、かといって原発を即時停止する(=日本の電気の大半を止める)という選択は、当面の被災地復興を考えただけでも非現実的である。
ではいろんな傷跡がまだ癒えない中、ジャーナリズムに求められるものは何か。それは「正義の論理」ではなく、(林香里が「〈オンナ・コドモ〉のジャーナリズム」という本で述べた)「ケアの倫理」だと著者は提起する。助けを必要とする取材対象と一体化し、個々人の生に寄り添いながら社会の歪みとその解決法を具体的に示してゆくことが、結果的に公益につながるのではないかと。無論「公正」を金科玉条とする正統派ジャーナリズム観とは相容れない姿勢だが、“首都圏の被害度”を基準にニュースバリューの大小を変えるような、現状のマスコミの報道姿勢よりはずっと世の中の為になると思う。

たとえばロールズは、『正義論』において、公平さこそ正義の基本原理としつつも、公平原則を崩すことにはなるが、最も虐げられているひとに多くを与えることは正義のバリエイションたりえると考えた。これは公平公正を金科玉条とする「正義の論理」ではなく、眼の前にいる弱者に寄り添い、共に解決策を探して行く「ケアの倫理」で動くジャーナリズムにこそ可能性をみた私たちの立場とも通じる。…(中略)…ジャーナリストやニュース・エディターは、「死体に涙する」感性を有しつつ、より力の小さな声を敢えて拾い上げる技と力を持った「反検索的報道家」になる必要がある。(第9章「マスメディアと反検索型ジャーナリズム」より)

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