不合理だからすべてがうまくいく
行動経済学で「人を動かす」
ダン・アリエリー著/櫻井祐子訳
わたしたちは不合理だからこそ、新しい環境に順応し、他人を信頼し、進んで努力を払い、子どもを愛することができる。こういった能力は、わたしたち人間のすばらしい、驚くべき、生まれながらの−−そして不合理な−−本質と、表裏一体をなしている(じっさいの話、環境に順応することも、人を信頼することも、仕事を楽しむこともできなければ、とてもみじめな人生になってしまう)。(序章「先延ばしと治療の副作用からの教訓」より)
「予想どおりに不合理」の続編。人の不合理性の「不都合な面」に光を当てた前著と対照的に、不合理性の「好都合な面」、即ち人が社会の中で生きていくのに必要な性質、という肯定的スタンスで不合理性を捉えている。取り上げられた不合理性の事例と結論は、自身でも思い当たる経験ばかりなので新たな発見こそないが、全ての結論が著者自らの実験結果に基づくため説得力があり、何となく「人ってそういうものだろう」と直感していたことを論理的に納得させてくれる。
そして最終章で著者は、「全身の70%に大火傷を負い、片腕を切断するか否かの決断を迫られた」という自らの悲壮な体験自体を、不合理性分析の思考実験対象として考察。読む側にも痛みが伝わってくる程のリアリティで、本書全体を見事に総括して見せた。この冷徹な学者魂には頭が下がる思いがする。
もしわたしが完全に合理的な、計算高い人間で、自分の腕に愛着のかけらももっていなかったなら、授かり効果や損失回避、現状維持バイアス、それに決定の不可逆性に悩まされはしなかっただろう。また義手をつけたら将来どうなるかを、正確に予測できたはずだから、医師と同じ目で自分の現状を見ることができただろう。…(中略)…だがわたしは、そんなに合理的ではなかった。だから腕を温存した。その結果、度重なる手術や不自由、頻繁な痛みに苦しむことになった。(第11章「わたしたちの不合理性が教えてくれること」より)


一ノ蔵(宮城)
特別純米酒ひやおろし
1800ml/2643円
仙台「酒蔵大沼」での三杯目。ほろよい機嫌になった所で、いよいよ地元宮城の銘柄「一ノ蔵」のひやおろしを賞味。原料米には宮城県産の「蔵の華」「ササニシキ」を使用(55%精米)。まろやかな味わいと穏やかな香り。しっかりと旨味と甘み、そして酸味が調和しており、呑んでいて心地いい。気分も上々である。
肴は蛸わさと、店員がつまみ食いしていた純鶏網焼きをご相伴させてもらった。
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