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鳳陽 ブルーシャトー(宮城)

吟醸
180ml/800円

仙台駅で購入。ブルーシャトーというしゃれた名前を持つ、いかにもお土産向きのおしゃれな青いボトル。蓋の部分にお揃いのお猪口が付いている。濃厚ながらも上品で、膨らみのあるマイルドな味わいの吟醸酒。蔵元は寛文元年(1661)から酒造りを行っている、県内最古の造り蔵である黒川郡の内ヶ崎酒造店。何と今年度からは、磯自慢酒造、天法酒造で数々の名酒を世に送り出してきた、日本を代表する名杜氏・瀬川博忠氏が造りを行っている。肴は前回の勝山同様、塩仕込み牛タン焼、スモークタン、笹かまぼこ。

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日輪の遺産

浅田次郎

「知っておるかね。ダグラス・マッカーサーは親子二代にわたるフィリピンの軍事総督だ。実質的支配者といえる。二千億円の金塊は、マッカーサーが父の代から、フィリピン独立のために蓄えた財宝だった。山下将軍はマラカニアン宮殿の地下からそれを掘り出して、日本に送った。それが正解だ」
参謀総長の言葉は簡潔で、明晰だった。小泉はメガネをはずすと、軍衣の袖で瞼を拭った。 「なぜ、そんなことを」 「そんなこと?…役人には考えが及ばぬかね。もっとも君らがそこまで考える必要はあるまい。話は以上だ」(「3」より)

敗戦直前、軍の密令でマッカーサーの財宝を移送、隠匿した将校たちと20人の少女がたどる哀しい運命を描いた歴史ファンタジー。90年代前半にユーモア溢れる「プリズンホテル」「きんぴか」で人気作家の仲間入りをした著者は、本作を上梓したことで作家としての新たな境地を切り開くことになる。そして文庫版あとがきで著者自身が「若書き」と述べているように、シリアスな内容にも関わらず軽妙な表現が顔をのぞかせたり、「天切り松」や「壬生義士伝」に代表される、情景が眼前に立ち上る程の文章の緻密さ・美しさはまだ感じられないが、読み始めると止まらないストーリーテリングの才は、本作の時点で既に十分発揮されている。
似たような話は「M資金」「山下財宝」といった形で都市伝説として語られ、実際にも複数の財界人が詐欺に遭っているが、本作はまさにその都市伝説を補う外伝のようで、妙なリアリティを覚えてしまった。

「わかるか、エビさん。マッカーサーの財宝はいったんここに収納された。やつらはそれを山分けしたんだ。軍はそれをとっとと山に隠した。ところが作業能力のない官庁はどうすることもできずに敗戦を迎え、占領軍に見つかっちまった。どうだ、この推理は。ありうるだろう」
すべては闇の中であった。しかし、丹羽の推理は手帳の記述とどこも矛盾しない。彼は手さぐりで、少なくとも十分に説得力のある彼なりの結論を引き出したにちがいない。 「あるぞ、二百兆円は、あの山の中に埋まっている」(「17」より)

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