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あさか野物語(埼玉)

純米吟醸無濾過しぼりたて生原酒
720ml/1310円

埼玉県新座市の荻原酒店が、金賞受賞蔵でもある地元の佐藤酒造(1844年創業・主銘柄は「越生梅林」)に醸造を依頼し、独自にプロデュースした純米吟醸の無濾過しぼりたて生原酒。売場では新聞紙に包まれ、赤い「限定品」タグが付けられている。原料米には県内のあさか野農協産「朝の光」(60%精米)、酵母には1401号を使用。鼻腔をくすぐるフルーティーな上立ち香とまろやかな酸味が特徴。コクのあるどっしりとした力強い酒質で、少しボディの強い白ワインを彷彿させる。アルコール度数は18.3度。北千住「食遊館」で購入。肴は椎茸のバジル焼、しらす。

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死のテレビ実験

人はそこまで服従するのか
クリストフ・ニック+ミシェル・エルチャニノフ

システムとしてのテレビには、主義主張など何もない。学校のように人々を教育しようとするわけでもなく、宗教のように大きな理想を掲げるわけでもない。政治のように人権を擁護しようとか、経済を発展させようとか、平等な社会を実現させようとか、そんな意図もまったくない。あるのは、「面白くするためなら何をやってもいい」という価値観だけである。テレビは何も目的を持たないまま、ただひたすらこの価値観を私たちにささやきかけて、植えつけていくだけなのだ。(第12章「自己増殖する〈権威〉」より)

1960年に行われた通称「アイヒマン実験」で一大センセーショナルを巻き起こした、S・ミルグラム「服従の心理」の現代版。
悪趣味なテレビ番組が増殖しているフランスで、「このまま行けばテレビは人を殺しかねない」と憂慮したテレビマンと哲学者が、2009年にある実験を試みた。架空のクイズ番組「危険地帯」のパイロット版を制作する名目で公募した被験者80人に対し、解答者(実は俳優)が間違える度に、死の危険性を秘めた 460ボルトまで電気ショックを与え続けるよう命じたのである(但し実際には通電されていない)。その結果は予想を上回る恐ろしいものだった。ミルグラムによる同種の実験では、最後まで電気ショックを与え続けた被験者が60%強だったのに対し、今回は81%に達したのである。そして半世紀前の被験者は「科学実験」の場で「科学者」という権威に服従したのに対し、今回の被験者は単に「テレビ番組の収録」という場で、権威などない「無名の司会者」に服従した。即ち「テレビというシステム」の命令に、人々が服従したのだ。
日本では若い世代を中心にテレビ離れが加速し、テレビの影響力は以前程ではないとされる。ただ、テレビで露出の多いアイドルが人気者となり、ドラマやCM とタイアップした楽曲がヒットチャートを賑わし、人気ドラマが映画化され観客を集めるという構図は暫くは変わらないだろう。「テレビが殺人を犯す」可能性に警鐘を鳴らした本書の問題提起は、決して軽いものではない。

テレビは今や手がつけられないほど肥大化し、「面白くするためなら何をやってもいい」という原理だけで、面白くするための「暴力」をまきちらしながら、歯止めもなく暴走している。その暴走を止められるのは私たちしかいない。私たちの一人ひとりがテレビの〈権威〉の恐ろしさを知り、それと同時に自分もまた人間として普通に〈権威〉に服従しやすい存在であるのを知ること。「テレビの危険」から身を守るには、それしかないのである。そうしなければ、私たちはいつか本物の電流を流す、本物のクイズ番組、「危険地帯」の出題者の席に座って最後の四六〇ボルトまでレバーを押しつづけることになるだろう。(「エピローグ」より)

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