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三芳菊(徳島)

純米吟醸無濾過生原酒
1800ml/2625円

「さくら亭」にて、燗で身体を温めた後の二杯目。「ちょっと面白い酒があるんですが…」と店主が出してきたのが、この「三芳菊」の純米吟醸無濾過生原酒。グラスからふわりと立ち上る上立ち香も、口中で広がる含み香も、そして舌で楽しむ味わい自体も、これはもう日本酒の域を超えて、パイナップルリキュールの世界である。米は五百万石(60%精米)。独特の風味の秘密は、この蔵だけで使っている徳島県酵母によるものらしい。正体を明かさずショットバーで出せば、誰も日本酒とは思うまい。蔵元は明治22年創業の三芳菊酒造。

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テレビは総理を殺したか

菊池正史

小泉は風車に吹き飛ばされたドン・キホーテではなかった。田中の継承者たちが握っていた人事を完全掌握した。我々メディアも、まず、このことに度肝を抜かれ、引きつけられたのである。
また小泉は、平沢ら仕掛け人の思惑どおり、「二極対立」にこだわり、国民に敵の姿を具体的に、ピンポイントで示した。「敵はこの人だ」と指差して、敵の生身の姿を、メディアを使って国民にさらしたのである。その敵は中曽根康弘をはじめとした長老達であり、橋本派の実力者・野中であり、郵政選挙で造反した亀井たちであった。(第2章「熱狂のあとで」より)

本書のどこにも書いてはいないが、一言で要約すれば「小沢一郎を対立軸として考察した、90年代以降の歴代総理」を論じた本。こうした内容の本を、傍観者的な立場の評論家ではなく、マスコミ内部で「小泉劇場に踊らされた」事実を深く自覚した一テレビマンが率直に著したことが面白い。
本書を貫くキーワードは「二極対立の明暗」である。田原総一朗の登場以来、政治は視聴率が稼げるコンテンツとなり、政治報道にTV的な「分かりやすさ」を求める風潮が明らかに強まった。この二十年あまりの政治の構図は、“小泉郵政選挙”における「改革派vs.抵抗勢力」に代表されるように、明確な対立軸を打ち出して世論を味方につけた者が勝利者となった。小泉純一郎は、その流れを最大限に利用した稀有な政治家だったことが本書を読めばよく分かる。
なお内容の踏み込み具合から、著者は既にフリーになった人だと思い込んでいたが、経歴を見るとまだ日本テレビに在職中とある。在職中のサラリーマンにしては結構勇気のいる内容だろう。あっぱれ。

世論の権威をまとって永田町に君臨したのが小泉である。小泉政治が崩壊していこう、世論の権威と結託する政治はポピュリズムと批判され、その威力にも陰りがさしたように見えたが、永田町において隠然たる力を維持してきた小沢の権威を粉砕したことは、世論の権威が政治において最も優位な存在であることを改めて実証した。
戦後の民主主義が定着してかなりの年月が流れるが、世論の権威が台頭してきた歴史は意外にも浅い。むしろ、圧倒的な政治的権威によって、長い間抑圧されていたと言える。(第4章「迷走する民主党」より)

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