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幻舞(長野)

純米吟醸無濾過生原酒
1800ml/3150円

新橋で新規開拓。何かのブログで見て気になっていた新橋第1ビル1Fの「みどりや」さんへ。日本酒の品揃えが豊富でしかも全てが500円以下の立ち飲み価格。愛嬌たっぷりの小柄な女将が結構な日本酒好きらしく、良い店見っけといった感じ。記念すべき入店1杯目がこの「幻舞」。繊細な中にもふくよかな力強さを感じる飲み口。原料米は長野産の美山錦(49%精米)。蔵元の酒千蔵野は天文9年(1540)創業。長野県で最も長い歴史と伝統を誇る酒蔵で、全国的にも7番目の歴史を持つ。一人娘の美人杜氏が醸しており、全国新酒鑑評会で複数回金賞を獲った実力派。

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妻に捧げた1778話

眉村卓

毎日短い話を書くにあたって、私が自分に課した制約のひとつに、どんな話であろうともどこかで必ず日常とつながっていること—というのがあった。この作業に対する私のスタンスを示すためであったが…その日常というものがこんな具合になってくると、よりどころが少しずつ変質して行かざるを得ない。私自身、そのことを感知していたけれども、だからといって、どうしようもない。私はこれまでの感覚で書きつづけた。というより、傾斜・歪みが生じていても、それはそのときどきの様相を映し出しているのだからいいではないか、と開き直るようになったのである。(「非常と日常」より)

ガンで余命1年と宣告された妻のため、せめて気持ちの明るくなるような話を書いて読んでもらおうと考え、作家の夫は毎日一話ずつショートストーリーを書き続けた。その数は何と5年間で1778話。SMAP草なぎ剛と竹内結子の主演で映画化され、ちょうど1年前に公開されたが、内容は実話である。本書には 1778話のうちの19話と各作品についての自己注釈、そして二人の出会いと結婚生活が本人の筆でまとめられており、神戸に向かう新幹線の中で一気に読み終えたが、ラスト3話当たりから文字が滲んで見えて、最終回の最後の一行で涙腺が決壊してしまった。何とも切ない一冊だ。
人生も半ばを超え、妻と一緒に過ごした日々の方が長くなった今。もし彼女が余命1年なんて宣告されたら…と我が身に置き換えるだけで正気を失いそうになる。きっと著者も、病床の妻を楽しませてあげたいという気持ちに加えて、壊れそうな自分自身の精神のバランスを保つために、お百度を踏むように「一日一話」の創作を自らに課したのだろう。

とうとう最終回になってしまいました。
きっと、迷惑していたことでしょう。
今日は、いまのあなたなら読める書き方をします。

いかがでしたか?
長い間、ありがとうございました。
また一緒に暮らしましょう。
(「一日一話の終わり 1778『最終回』」より)

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