日本シリーズの決定的瞬間
その時、指揮官は何を決断したか
松下茂典
「スクイズに決めたのは、サードランナーが藤瀬だったこと。バットに当たって転がりさえすれば、セーフになる。たとえ投手の正面に転がったとしても、動作が鈍い江夏なら、十分間に合う。試合はタイになる」
足の速い藤瀬と動作の緩慢な江夏。そのふたつから導き出された結論がスクイズであった。西本の決断がまちがっていたとはいえまい。まさか江夏が次の1球をはずすとは夢にも思わなかったのだから。
西本は意を決し、三塁コーチャーの仰木彬にスクイズのサインを出した。(第1章「古葉・広島VS西本・近鉄」より)
「江夏の21球」ですっかりおなじみになった1979年の広島vs近鉄をはじめ、川上野球に多大な影響を受けた知の広岡達郎と情の藤田元司がしのぎを削った1983年の西武vs巨人、「巨人はロッテより弱い」という近鉄・加藤哲の発言(実際そんな言い方はしていない…)に巨人ナインが発奮したされる 1989年の巨人vs近鉄、さらには野村克也vs.森祇晶の知将対決で7試合中4試合が延長戦となった1992年の西武vsヤクルトの4つのシリーズを題材に、勝負の分かれ目となった監督の采配にフォーカスしたドキュメンタリー。いずれも第7戦までもつれ、球史に残ると言われたシリーズばかりを取り上げている。
いずれも「4勝しなければ…」と焦る敵将に対し、「3敗まではできる」と最後まで冷静さを失わなかった監督が覇権を掴んだ。短期決戦の場では勝てると思えば惜しみなく戦力をつぎ込むべきか?あるいは冷静沈着に自らのスタイルを貫くべきか…?この辺りは素人には何とも言い難いが、プロの「勝負勘」というのはまさしくそういったギリギリの場面で、人智を超えて発揮されるのであろう。
著者は野球に関する著作の多いベテランのノンフィクションライター。衒いや力みを感じさせず、それでいて心地よい躍動感のある年季の入った文章に好感。
「大きな流れという点では、広岡さんのやり方も、私のやり方も、同じである。源流は川上さんだ。いかにして勝つかということを考えると、結局、川上野球に到達する意外に道はない」
藤田と広岡のGL決戦は、“新・巌流島の決闘”と呼ばれた。1958年の水原巨人と三原西鉄の“巌流島の決闘”から25年の歳月が流れていた。
第6戦、4対3でサヨナラ勝ちした広岡は、藤田に同情するコメントを残した。
「ガッツで働いた西本を胴上げ投手にしたかったのだろう。藤田は人情家だから…」(第2章「広岡・西武VS藤田・巨人」より)


辣味娘(青森)
特別純米
1800ml/????円
何ともぶっ飛んだ名前とラベルデザインである。この「辣味娘」以外に「モヒカン娘」「モヒカン生娘」「ビキニ娘」と全部で四姉妹(今のところ)がいるとのこと。ウケ狙いの際物かと思いきや、飲んでみるとほんのりと吟醸香も感じられ、思いのほか品の良い口当たり。力強さとコクもあるが総じて素直で飲みやすい辛口である。見た目はヤンキーなのに味わってみると意外に素直でかわゆい…といった感じ。いずれモヒカンとビキニも味わってみたい。
蔵元は「豊盃」でおなじみの三浦酒造。ちゃんと旨い訳だ。新橋「みどりや」にて。
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