生もと・山廃
高清水(秋田)
山廃ひやおろし
1800ml/1848円
仙台「酒蔵大沼」での四杯目。本日の〆として、「高清水」の山廃ひやおろしをぬる燗にしてもらった。原料米は美山錦(60%精米)、酵母は601号。濃厚な旨味の中に、ふんわりとした甘味と丸みを感じる。
肴は白菜漬。立ち飲みの前にお客様と生ビールを三杯呑んでいたので、もちろん帰りの新幹線では爆睡であった。
[2011年11月 9日] この日の感想・書評へ→
常きげん(石川)
山廃純米無濾過生原酒
1800ml/3150円
「麦太郎」での三杯目。酸の効いたコクと旨みの調和のとれた、山廃造りによる無濾過の純米生原酒。米は加賀産の五百万石を使用(65%精米)。酸度は2.5と高めだが、旨味・甘味・酸味のバランスが良く飲みやすい。雑味がなく重さも感じないので、味付けの濃い料理にも合いそうだ。蔵元は加賀の地で文政2年 (1819)に創業した鹿野酒造。白山の清冽な伏流水、蓮如上人の掘った伝説の「白水の井戸」より湧出する仕込み水を使い、かつて「菊姫」の杜氏として 24回金賞を受賞した「現代の名工」野口尚彦杜氏を筆頭とする七人の蔵人による丹精こめた手造りで、品質本位の酒造りが行われている。
[2011年9月27日] この日の感想・書評へ→
田从(秋田)
山廃純米無濾過詰原酒
1800ml/3150円
「たびと」と読む。人という字が二つ並んだ珍しい漢字。じっくり熟成された味わいの深さとキレのよい酸味を特徴とし、辛口で飲みごたえのあるフルボディの山廃純米無濾過原酒。口の中でグッと来る深い旨味と、深みのある酒質、柔らかな舌ざわりが楽しい。阿波山田錦を70%精米し、協会901号酵母で醸している。
蔵元は大正7年創業、「朝乃舞」をメインブランドとする秋田県平鹿郡の舞鶴酒造。奥羽山脈の融雪伏流水である琵琶寒泉を仕込水に使用している。
肴は造り盛合せ(シマアジ・鰹・鱧)、クリームチーズの酒粕漬け、酒盗、豚の角煮など。かつて梅田のDDハウスにお店があった頃に訪れて以来、久々の訪問となった大阪第3ビルB1「麦太郎」にて。
[2011年9月20日] この日の感想・書評へ→
両関(秋田)
山廃特別純米酒
720ml/1330円
2006 年度全国酒造コンクール(秋季)純米部門で1位を獲得したことのある名酒。美山錦を60%精米した山廃仕込だが、予想以上にスッキリとした淡麗な口当たりで、米の風味や乳酸の存在をあまり感じさせない。山廃と大きく書かれたラベルがなければ、そうとは判らなかっただろう。機会があれば燗で飲んでみたい。
蔵元は明治7年(1874)創業、秋田県湯沢市の両関酒造。栗駒山系から脈々と流れ出る名水百選「力水」を使って、低温長期醸造法で丁寧に仕込んでいる。
[2011年6月24日] この日の感想・書評へ→
大七(福島)
完熟生もと生原酒
720ml/1500円
北千住「食遊館」酒売場に並んでいたのを見て思わず購入。初夏限定・生もと本醸造の熟成生原酒である。香りを嗅いで口に入れた瞬間、思わず目元・口元がほころんでしまう様な、芳醇で奥深い旨味がふわーっと広がる。口当たりも滑らかで、甘味と酸味のバランスも申し分なし。やっぱり外れがないなあ〜と、しばし幸せな気分に浸る。
肴はカンパチの刺身、ゆず白菜、鰤のバジル焼。
[2011年6月16日] この日の感想・書評へ→
カネナカ(山口)
生もと純米
1800ml/2570円
北千住「日本酒宿 七色」での続き。二杯目に「天明」の純米中取り壱号を頂いた後、三杯目は趣向を変えて燗酒に。生もと系で何か良いのはありませんか?と訊ねたところ、奨められたのがこの「カネナカ」。燗を待つ間、冷えた状態のものを小さなグラスで出してくれた。キリッとした酸味と旨味が、しっかりとした造りを感じさせる。そしてしばしの待ち時間の後、40℃のぬる燗が登場。ああ~、イイ感じに旨味が開いて、まろやかで優しい味わいが口の中に広がる。肴は自家製の蛍烏賊沖漬。醤油臭さのない上品な味わいが、生もとのぬる燗によくマッチ。また来よう。
[2011年4月 4日] この日の感想・書評へ→
とわずがたり(秋田)
山廃純米
720ml/1350円
協会6号酵母の発祥蔵である新政酒造(1852年創業)が、伝統の秋田流長期低温発酵で醸した山廃純米酒。香りは穏やかで、角がないまろやかな口当たりと、すっきりした喉越しを楽しんだ後に、じんわりと旨味が追いかけてくる。山廃ならではの良さが十分に楽しめる味。燗を付けるとコクと旨味が広がり、一際膨らみが増す。
千住の食遊館にて購入。肴は鰤の刺身、剣先するめetc.
[2011年3月24日] この日の感想・書評へ→
末廣(福島)
伝承山廃純米
720ml/1050円
山廃造りは、明治〜大正期にかけての酒造技術の権威であった嘉儀金一郎氏が、「生もと造り」の過酷な山卸し作業を廃して創始したもの。そして嘉永三年 (1850)創業の末廣酒造は早くから嘉儀氏を招聘、以来一世紀近くにわたり「嘉儀式」として技を伝承している。という訳でこの酒の味は、いわば山廃造りの一つの基準とも言えるもの。酸味と甘味がバランス良く入り混じった、燗上がりのするまろやかで玄妙な中口タイプである。
千住の食遊館で購入。肴は白子ポン酢、お造りの盛り合わせ等。
[2011年2月 2日] この日の感想・書評へ→
旭興(栃木)
特別純米二段式酸基醴もと
1800ml/2730円
「さくら亭」の主人に燗で旨いのを所望し、出されたのがこれ。聞き慣れないこの商品名「二段式酸基醴もと(にだんしきさんきあまざけもと)」は、明治30年頃考案され幻に終わった酒母の製造方法で、糖化した米・米麹に乳酸菌を添加して乳酸発酵させ、その後酵母を添加、再び米・米麹を糖化させたものを添加する酒母の製造方法である。生もと系独特の乳酸の香りはあるものの、生もと程の乳酸臭さはない。まろやかな風味と口当たり。常温と飲み比べると、燗で味が開くのがよく分かる。
蔵元は明治25年創業の渡辺酒造。肴は鮪の酒盗とクリームチーズ。
[2011年1月28日] この日の感想・書評へ→
神月(秋田)
生もと純米
720ml/1034円
よく見ると英字新聞で全体を包んでおり、「杜氏藤田喜代美隠し酒」のラベルが貼られている。米は美山錦を59%精米し、酵母は1701号を使用。世界最大のブナ原生林が育んだ白神山地の水で仕込んでいる。生もと純米の割には比較的口当たりが素直でクセがなく、比較的万人受けする飲みやすいタイプ。燗を付けると飲みやすさが増す。
蔵元は明治12年創業の小玉醸造。元々は醤油・味噌の醸造を手がけたことに始まり、大正2年から清酒造りをスタート。「太平山」が主銘柄である。肴は初日が筋子の醤油漬、舞茸/椎茸のバター醤油炒め、豚タン塩焼。開栓翌日は〆鯖とおでん。北千住「ザ・プライス」にて購入。
[2010年12月28日] この日の感想・書評へ→
梅乃宿(奈良)
山廃純米吟醸
1800ml/2730円
三宮の焼鳥屋「アヒル」にて、3種試飲セットの後は山廃純吟の「梅乃宿」をぬる燗で頂く。深く濃厚な味わいとバランスの取れた旨味はこの蔵の山廃ならでは。ほっこりと体も心も温まる。
明治26年創業の蔵元は、平成元年から山廃仕込を復活させ、今年で22年。平均年齢が20代後半という若い蔵人たちが、生もと仕込をはじめ昔ながらの伝統の酒造りを受け継いでいる。
[2010年11月27日] この日の感想・書評へ→
小笹屋竹鶴(広島)
生もと純米原酒
1800ml/5250円
三宮「味工房さくら亭」での上燗第3弾。一人飲みの隣客があれこれ試すのに聞き耳を立てていたが、その中で最も盛り上がっていたのがこの「竹鶴」。生もとと普通の純米原酒の両方を常温で試させてもらい、存在感が際立つ生もとをぬる燗で頂く。香りは「花巴」同様バナナを思わせる含み香が口中に広がり、喉越しは意外に元気で硬い感じ。もう一年程寝かせたらもっと深みとまろやかさが増すだろう。
蔵元は享保18年(1733)から「小笹屋」の号で酒造を営む竹原市の竹鶴酒造。日本のウイスキーの父・ニッカの竹鶴政孝氏の生家でもある。肴は柚の香りが利いた烏賊の塩辛。
[2010年11月19日] この日の感想・書評へ→
花巴(奈良)
山廃仕込特別純米酒
1800ml/2940円
三宮「味工房さくら亭」での上燗第2弾。酵母無添加で約40日かけて育成された山廃酒母の純米酒である。バナナを思わせるほんのりと濃厚な含み香が立ち上る。口に含むと柔らかな酸味が全体をバランス良く包み、ふっくらと感じるコクと旨味が飲み手の気持をほっこりとさせてくれる。米は徳島県産の山田錦 (70%精米)を使い、仕込「弓絃葉の井戸」から汲み上げた大峰山系の伏流水で仕込む。
蔵元は明治45年創業、奈良の美吉野醸造。肴は山廃のぬる燗と相性抜群の自家製チーズ豆腐。
[2010年11月14日] この日の感想・書評へ→
妙の華(三重)
山田錦90%山廃純米無濾過あらばしり生
1800ml/2580円
「るみ子の酒」でおなじみ伊賀の森喜酒造場が、山田錦を10%しか削らず、山廃仕込みで造った無濾過の純米酒。米を削らない分旨味と酸味がしっかりと残った (酸度2.4)、骨太な味わいに仕上がっている。「さくら亭」の店主に頼んで半分を冷やしたまま、もう半分をぬる燗にしてもらったが、温めても殊更酸味が強まる訳でもなく、意外にするすると呑める。但し連れのワイン好きは「酸が…」と顔をしかめていた。
肴は手羽先の香味揚げ、上ミノ唐揚げ、筍の明太子焼、締めはいつもの台湾風焼そば。
[2010年5月15日] この日の感想・書評へ→

千寿白拍子(静岡)
山廃純米
720ml/1260円
兵庫県産山田錦を100%使用し、蔵内の井戸より湧き出る名水・天竜川伏流地下水で醸した山廃仕込の純米酒。いかにも濃醇そうな琥珀色で、飲み口自体はまろやかで少し甘い口当たりだが、間もなくどっしりとしたコクと旨味が口の中に広がり、喉越しもズシッと力強い。熱めに燗を付けても味のバランスが崩れず、まろやかさがより引き立つイメージ。蔵元は磐田市の千寿酒造。明治35年の創業で、「千寿白拍子」の酒銘は源平の世に当代一の白拍子(舞姫)といわれた千寿が、地元に残した悲しい恋物語に由来する。
肴は1日目が鮪の刺身と蛍烏賊、2日目が豚しゃぶ。
[2010年5月 8日] この日の感想・書評へ→
初孫(山形)
生もと純米吟醸・旬香
720ml/1349円
「旬香」(しゅんか)は搾ったままの生もと造りの純米吟醸を氷温貯蔵し、新鮮な風味を生かして瓶詰めした出羽燦々100%(精米歩合55%)の季節限定品。器に注ぐと吟醸酒らしい華やかで品の良い上立ち香が鼻腔をくすぐり、口に含むと爽やかな酸味と甘味がバランス良く広がり、その後を生もと造りならではのしっかりとした旨味が追いかけてくる。後味もさっぱりしているため、食中酒にも最適。
肴は食遊館で半額調達した鰹と天然鰤の刺身。
[2010年5月 1日] この日の感想・書評へ→

秀緑(茨城)
山廃本醸造辛口
720ml/945円
生もと酒母と吟醸酵母(9号酵母)を組み合わせたことによって、豊潤な含み香としっかりとしたキレ味を持たせた辛口の本醸造。ブラインドで飲めば純米酒と思ってしまいそうな、どっしりとしたコクを感じる。山廃造りだけあって燗にすると膨らみが出て、一際存在感が増してくる。原料米は地元産の美山錦(65%精米)。
蔵元は板東市の大塚酒造。平成8年に現代名工を受賞した南部杜氏の高桑育氏が醸す。肴は閉店間際の北千住「食遊館」で買った半額にぎり鮨と鮪の造り。
[2010年4月14日] この日の感想・書評へ→

出羽ノ雪(山形)
生もと純米
720ml/1000円
先頃飲んだ「信濃錦」同様、日本名門酒会がプロデュースした四合1000円「ウチ飲み純米酒」シリーズの一つ。原料米は「美山錦」と「はえぬき」。吟醸酒とは一味違う香りの華やかさと、若々しい口当たりが特長。スッキリした中にも米の旨みが広がる。ぬる燗にすると味と香りに一層膨らみが出るのは、やはり生もとならでは。
蔵元は米どころ庄内・鶴岡にある渡會本店。元和年間(1616〜1623)の創業というから、約400年の歴史を持つ老舗である。肴はスーパーで買ったにぎり鮨とお造り(カンパチ・鮭)。
[2010年4月11日] この日の感想・書評へ→

宮水の郷(兵庫)
生もと特別純米酒
1800ml/2400円
「粋酔」の新ラインナップ第5弾。伊勢神宮の御料酒として知られる灘の銘酒「白鷹」(1862年創業)が、宮水地帯に位置する西宮市内の会員酒販店だけに限定販売している銘柄。兵庫県美嚢地区の棚田で作られる特上級の山田錦を100%使用し、生もと造りで仕込んでいる。味は灘の「男酒」そのものと言える濃醇辛口タイプで、燗を付けると一際膨らみが出て旨味が立ってくる。
[2010年3月 7日] この日の感想・書評へ→

香住鶴(兵庫)
生もと本醸造
1800ml/1890円
「粋酔」での新ラインナップ第3弾。キレの良さを特徴とする生もと仕込の本醸造。+5の辛口タイプで、生もとにしては意外に素直な飲み口で軽快さもあるので、様々な料理に合わせやすい。常温でも燗でもOK。どちらかと言えばぬる目がオススメ。
蔵元は伝統の生もと造りにこだわる香住鶴(株)。但馬地方で最も歴史のある蔵で、創業は享保10年(1725)。初代の屋号は「福智屋」で、大正末期に地名の香住にめでたい鶴を加えた現在の銘柄になった。肴はツバスの造り、目刺し。
[2010年3月 1日] この日の感想・書評へ→
玉川(京都)
山廃純米あらばしり
720ml/1250円
前回に続く「粋酔」での新ラインナップ地酒2杯目。北錦を66%精米し、自社蔵付き酵母と城山の湧き水を使って醸した、アルコール17-18度の濃厚で落ち着いた口当たりの山廃純米あらばしりである。初日は常温で頂いたが、次の晩にぬる燗で戴くとさらに旨味が感じられた。
蔵元は天保13年(1842)創業、日本海に面した丹後市久美浜町の木下酒造。「梅乃宿」で修行を積んだ英国人フィリップ・ハーパー氏が平成19年度より杜氏を務め、次年度にはさっそく全国新酒鑑評会で金賞に輝いている。肴は、濃厚な山廃と相性抜群のうるめ鰯。
[2010年2月26日] この日の感想・書評へ→
萬歳楽(石川)
カップ酒「匠」山廃普通酒
200ml/203円
山廃仕込のカップ酒。普通酒ではあるが五百万石とあけぼのをそれぞれ70%精米している。切れ味の良い辛口タイプだが、その辺のワンカップとはコクと旨味が違う。これで定価203円は安いが、三宮の焼鳥店「とり裕」では750円でこれが出て来た。定価を知ってしまうと微妙に複雑な心境ではある。肴は鶏刺し、焼鳥(皮・肝・背肝・手羽先・玉ひも・ネック)と厚揚げ。
蔵元の小堀酒造店は享保年間(1716-1735)の創業。「萬歳楽」の商標は、12代目小堀甚九郎が世阿弥元清作の謡曲「高砂」の一節「千秋楽は民を撫で萬歳楽は命を延ぶ」から取ったもの。
[2010年2月 1日] この日の感想・書評へ→

淡緑(群馬)
山廃純米吟醸
1800ml/3500円
足立市場「武寿司」で締めの三杯目。源義経と運命を共にした名刀「薄緑」をしのぶと共に、群馬産の酒米「若水」で醸した淡麗で上品な味わいから、「淡緑」(うすみどり)の酒銘が生まれた。蔵元は「群馬泉」の島岡酒造。ラベルに記載はないが、「淡緑」は全て山廃仕込である。さてこの純米吟醸、バナナチップスを思わせる甘やかな含み香が印象的で、山廃特有の酸味とコクは押さえつつも、しっかりとした旨味とふくよかな味わいが醸し出されている。
握りの方も酒盗でひと息付いた後は、穴子、雌かじき、鯛、そして締めは本日二度目の金目鯛(絶品!)。
[2009年11月21日] この日の感想・書評へ→

鳳凰美田(栃木)
山廃特別純米
1800ml/2940円
足立市場「武寿司」での二杯目。稀少な酒米「愛山」を使い、山廃仕込で造られた特別純米。「山廃っぽくないでしょう」と店主。確かに濃厚ではあるが、生もと系ならではのコシの強さや重さが強調される感じではなく、口の中でふわりと甘い風味が広がる。愛山という米の性質なのだろうか。
蔵元の小林酒造は生産量六百石と規模は小さいが、毎年いろんな米を使って微妙にスペックを変えた酒を出し、今のところいつどれを飲んでも外れがない。
握りの方は平貝、生鯖(江戸前)、ヤリ烏賊、つぶ貝。そしてひと息入れるため酒盗をつまむ。
[2009年11月18日] この日の感想・書評へ→

風のまま(兵庫)
山廃仕込純米無濾過生原酒
1800ml/2830円
旧友と久々の三宮。初めて入った炭火焼鳥の店「アヒル」で、好きな日本酒三種を900円で自由に飲み比べできるとあり喜んで注文。選んだうちの一つがこの「風のまま」である。
山廃の無濾過にしてはあまりまったりした感じはなく、旨味のある爽快な辛口タイプ。蔵元は淡路島にある都美人酒造。肴は新鮮な鶏の刺身(肝・砂肝・ハツ・赤身・たたき)。
[2009年9月16日] この日の感想・書評へ→

刈穂(秋田)
山廃純米超辛口
1800ml/2490円
「出羽鶴」の銘柄でも知られる刈穂酒造は大正2年創業。山廃もとを主体とした全量特定名称酒の個性的な蔵元である。もろみを極限まで発酵させたこの酒は、データ的にも+12の超辛口だが、飲んでみると辛さ自体はまずまずといったところで、キレの良さと共になめらかな旨味が感じられる。原料は60%精米した美山錦。前回と同じく「花たろう」での2杯目。肴は日向トマト、旬の焼野菜、
[2009年8月 3日] この日の感想・書評へ→

五人娘(千葉)
生もと純米
300ml/577円
蔵元の寺田本家は江戸期の延宝年間(1673〜81)に近江から今の千葉県香取郡神崎町へ移住したという老舗の蔵。無添加、無農薬の原料米を全量生もと造りで醸す、「自然の原点に帰った酒造り」を掲げる蔵である。
この「五人娘」生もと純米も、契約栽培による無農薬のコシヒカリと美山錦を原料米に使用(70%精米)。独特のほのかな甘味を持つコクのある濃醇タイプで、後味に苦味がなく優しい味わいが特長である。池袋ショッピングパークにて、にぎり寿司、焼き鳥と一緒に購入。
[2009年4月25日] この日の感想・書評へ→

嘉宝蔵(兵庫)
生もと特撰本醸造
720ml/1000円
菊正宗の「嘉宝蔵」は昭和33年(1958)の完成以来、杜氏達が厳寒期に住み込みで酒を仕込む昔ながらの季節蔵の名前である。その「嘉宝蔵」の名を冠したこの特撰本醸造は、ふくらみのあるコクと生もとならではの旨味、そしてスパッと心地良い切れ味を持つバランスの良い辛口タイプ。1000円の酒とは思えない、黒とゴールドを基調にしたパッケージの重厚感も、飲み手に期待感を与えるという意味ではなかなかのもの。肴は鰻の肝、鯨の刺身等。
[2009年3月26日] この日の感想・書評へ→

菊姫(石川)
山廃仕込純米酒
1800ml/2900円
前回に続き「酒屋の酒場」での二杯目。牛モツ煮込み(350円)に合わせる様にグラスへ注がれたのが、「菊姫」の定番中の定番とも言える山廃仕込純米である。透明なグラスでもそれと判る程の山吹色は、いかにも「モツに負けねえぞっ」と言いたげな濃厚な佇まい。飲んでみると、少し寝かせてあったせいか程良い旨味と渋味が乗って、ひと癖ある煮込みの味をグンと引き立て・・・というより、相乗効果で一段と美味しさが増す。
さてこの後は烏賊ゲソ焼(150円)を肴に、前回訪問時にも供された「開運無濾過純米」を戴き、酒三種(三合)と四品で2700円也。旨い!安い!
[2009年2月 8日] この日の感想・書評へ→
不動(千葉)
山廃純米・無濾過生貯蔵酒
1800ml/2457円
酒器に注ぐと山廃純米らしい山吹色の自然な色合い。上立ち香は淡く南洋果実系の甘さと華やかさを纏う。飲んでみると口当たりは軽目ながら複雑な味わい。軽く酸味がきいて後味のキレは良し。日本橋の寿司割烹「さくら井」にて。肴はえび芋の蟹あんかけ、ホウボウの卵煮付け、にぎり鮨(小鰭、鯛、赤貝、鯖、穴子、むつ)と特製太巻寿司。
蔵元は元禄2年(1689)創業の鍋店(なべだな)株式会社。「不動」は同社「仁勇」に続く新ブランド。
[2008年12月 1日] この日の感想・書評へ→

一ノ蔵(宮城)
山廃特別純米
1800ml/2420円
一ノ蔵直営の居酒屋で、壁に飲み比べセットと貼り紙がしてあったので思わず注文した。内訳は大吟醸、山廃特別純米、特別純米の三種。
大吟醸は上品な吟醸香と程良いコクを持ち、特別純米はスッキリとクセがなくどんな料理にも合わせられる万能選手であったが、個人的なお気に入りは、ほんのり琥珀色の山廃特別純米。独特の野趣を秘めた味わいとどっしり感が、厚切りの馬刺と好相性で、いと美味し。たまにこういう飲み方をすると、自分の好みがよく分かる。
[2008年11月10日] この日の感想・書評へ→

都美人(兵庫)
山廃仕込辛口渦酒
1800ml/1926円
前回に続く「粋酔」での2杯目。見かけない瓶が並んでいたので、キクマサのひやおろしの次に注文するつもりだったが、先回りしてマスターが小振りの杯に注いでくれた。口当たりは実にまろやか。どっしりとした旨味があって、ただ辛いだけの「からくち」とは一味違う少し複雑な味わいを感じた。
蔵元の都美人酒造は淡路島の蔵で、昭和20年の創業以来山廃造りにこだわり、鉄人・道場六三郎氏の店にも置かれているらしい。
[2008年10月11日] この日の感想・書評へ→

菊正宗(兵庫)
生もとひやおろし
720ml/値段不明
久々に立ち寄った阪急六甲駅前「粋酔」にて、業務用限定&期間限定品ということで注文(一合400円)。実は生もと造りで且つひやおろしというのは、個人的に意外と飲む機会が少なかったりするのだ。お味の方は、ふだんのキクマサのイメージとは違って、瑞々しく口当たりの軽い飲み口。生もとならではの旨味や膨らみにはイマイチ欠けるが、このすっきり感は悪くない。肴は〆とろ秋刀魚。
[2008年10月 8日] この日の感想・書評へ→

千歳鶴(北海道)
吟風山廃純米酒
180ml/297円
「吟風」とは吟醸風・・・という訳ではなく、北海道産の酒造好適米の名前である。その吟風を65%精米し山廃仕込で造った純米酒。芯のしっかりとした味わいとコクのある風味が特徴。第一印象は辛いが、呑んでいくうちに少し甘味を感じる様になる。肴はこんにゃくの味噌田楽。
蔵元は明治5年、札幌で初めて酒造りを営んだ柴田酒造店を前身とする日本清酒。北海道有数の大手蔵である。仕込水は札幌南部の山々に降った雨や雪が100年、200年かけて浸み込み、地下の深い所を流れて来ている豊平川の伏流水を使用。
[2008年7月 9日] この日の感想・書評へ→
喜天烈(兵庫)
山廃純米辛口
720ml/1284円
灘・魚崎郷にある浜福鶴銘醸の酒。山田錦を68%磨いている。「辛口心証日本酒度+10」とあり、飲む前からこちらを身構えさせるが、飲んでみると山廃独特の乳酸っぽさと旨味があって、度数程の辛さをあまり感じさせない。コクがある割には後味もすっきりとしているので、ちょっと濃いめの料理にも合わせやすい食中酒として、何かと重宝しそうだ。阪急六甲のOASISにて購入。ちなみに肴はかんぱちの握り、蛍烏賊、海鮮八宝菜など。
[2008年5月 9日] この日の感想・書評へ→

菊正宗(兵庫)
特撰・生もと本醸造
1800ml/2216円
さて前回阪急六甲駅前に開店した立呑み店「粋酔」について触れたが、聞けばこのお店、とある酒屋の店主と本屋の店主が合同出資して開いたそうな。まさに「酒本舗」の世界観と相通ずるものがあり、途端に親近感が湧いてしまった。幸い「酒」「本」のそれぞれの店主と個別に会う機会を得て、片や酒、片や本の話を肴に盛り上がったのは言うまでもない。
で、その時主に飲んだのがキクマサの特撰。兵庫県吉川特A地区産の山田錦を100%使用した生もと造りの本醸造で、しっかりとコシが強く、風格を感じさせる辛口。
[2008年4月25日] この日の感想・書評へ→

芳水(徳島)
山廃純米生原酒
720ml/1575円
花見酒第3弾は、徳島の吉野川上流の山峡で大正2年より酒造りを始めた「芳水」の山廃純米生酒。「奥播磨」にいた高垣克正氏が平成14年から杜氏を務めていることでも知られている。
原料米には特別栽培された滋賀産「玉栄」を使用(60%精米)。フレッシュな口当たりながら、山廃仕込みのイメージ通り、力強くどっしりとした深みのある辛口である。
[2008年4月13日] この日の感想・書評へ→

初霞(奈良)
生もと純米
720ml/1365円
炭素濾過を行っていないため、酒器に注ぐとほんのり黄金色。しっかりとボディのきいた芯の強い酒だが、飲み口自体は軽やかでクセがなく、後味もキレがあって心地良い。低めの常温も旨いが、燗にすると全体に膨らみが増して、生もとならではの味わい深いひとときが楽しめる。肴は海鮮丼とにぎり寿司。
蔵元は、浅野内匠頭が刃傷沙汰を起こした元禄15年(1702)創業の老舗・久保本家酒造。
[2008年1月27日] この日の感想・書評へ→

白隠正宗(静岡)
山廃純米生原酒・五百万石
1800ml/2940円
蔵元の高嶋酒造は文化元年(1804)創業。名僧・白隠禅師ゆかりの松蔭寺のお膝元で酒を造り続け、明治17年には山岡鉄舟が「白隠正宗」と命名。地下150mから湧き出る富士山の雪解け水で仕込み、普通酒を含む全品で蓋麹を使用しているこだわりの蔵である。この山廃純米は、冷蔵庫を改造してわざわざ酒母室まで作り、数十年ぶりに山廃仕込に挑戦したという自信作。生原酒は春期限定である。山廃で純米で原酒というのでどっしりとした重めの飲み口を想像したが、いざ飲んでみると程良く旨味が乗ったキレの良い中辛口。思ったよりクセもなくスイスイと飲めてしまった。
[2007年6月 4日] この日の感想・書評へ→
穀良都(福岡)
山廃純米・無濾過生
1800ml/2625円
「穀良都(こくりょうみやこ)」とは、戦前まで山口や福岡で盛んに栽培されていた酒米の名前であり、今回飲んだのはその幻の米を復刻醸造した無濾過の生酒。ほのかな甘い香りと爽やかな酸味が程良く調和した、山廃純米のイメージを覆すすっきりと繊細な味わいを特徴とする。
蔵元は「三井の寿(みいのことぶき)」「美田」で知られる井上合名会社。蔵沿いに流れる小石原川の伏流水を仕込み水に、本醸造から吟醸造りで行っている吟醸蔵元である。
[2007年5月14日] この日の感想・書評へ→
東洋美人(山口)
山廃純米槽垂れ本生
1800ml/2800円(?)
地元長州産山田錦を100%使ったうすにごりタイプ。山廃純米と言えばどっしりとコクのあるイメージだが、この槽垂れ本生はいかにも東洋美人らしい、上品であっさりした飲み口のまろやかな辛口タイプ。口当たりもあくまで優しく柔らかく、後味にはほんのりと程良い苦みが後を引きすぐにすーっと消える。蔵元は澄川酒造場。全量の約9割が特定名称酒である。
肴は鯛の白子天ぷら、山葵菜のおひたし、大根と厚揚げのおでん。三宮の「まんげつ亭」にて。
[2007年5月 9日] この日の感想・書評へ→
大七(福島)
純米生もと生原酒
720ml/1575円
極力今まで載せてない銘柄をと思いつつ、酒を選ぶことの多い昨今。だが行きつけの酒屋の棚でこの酒と目が合い、「おおっ『大七純米生もと』の『生原酒』じゃ!」と、三度目の「大七」になるのを知りつつ買わずにおれなかった。日本名門酒会が全国で行った試飲会「熱闘!〈夏生〉甲子園」で、料飲店/酒販店等酒を扱うプロから人気第1位に選ばれた実績もある銘酒だ。
利き猪口から立ち上る濃厚な香り。口に含むと生もとならではの濃密な旨味と酸味が広がるが、相当しっかりした味わいであるにもかかわらず、後味にくどさが全く残らず潔くスッと引いていく。生原酒を飲む喜びを改めて教えてくれる絶品。そして肴は大七のために買ったとも言える鯨刺し。個性の強いもの同士なのにぶつかることなく調和して、実に美味なる一時であった。
[2007年4月28日] この日の感想・書評へ→

稲波(秋田)
生もと・特別純米酒
720ml/1245円
生もとの特別純米ということでボディのある濃厚な味わいの酒を想像していたが、利き猪口に注ぐと色あいはほぼ透明に近く、予想外にスッキリとしたキレの良い中辛口。香りもほんのり柔らかい。ぐいぐいと飲める軽やかさに思わずアルコール度数を確認した程(15〜16 度)で、生もとならではの深さも感じられ、バランスの取れた飲み口であった。成城石井で購入した缶入り牡蠣のスモークと絶妙の相性。
蔵元は秋田を代表する銘柄「高清水」でおなじみの秋田酒類製造。
[2007年4月25日] この日の感想・書評へ→

開華(栃木)
山廃純米吟醸ひやおろし
720ml/1312円
山廃ならではのほのかな乳酸菌の風味と膨らみのある香りが特徴。口当たりはすっきり、それでいてコクのある力強い味わい。後味にやや苦味が残るが、濃醇な旨みを持つフルボディタイプのひやおろし。原料米は五百万石(麹米)と美山錦(掛米)。
栃木県佐野市にある蔵元の第一酒造は、創業延宝元年(1673年)と、約330年余りの歴史を持つ県内最古の蔵元。平成10年からは県内で初めて全商品特定名称酒に移行しており、全国新酒鑑評会において20年で11回の金賞を受賞するなど技術力の高さには定評がある。
[2007年4月21日] この日の感想・書評へ→

悦凱陣(香川)
手造り純米酒・山廃無濾過生赤磐雄町
720ml/1800円
あの高杉晋作、木戸孝允(桂小五郎)も飲んだと言われる、讃岐の銘酒・丸尾本店の「凱陣」。蔵は「金刀比羅宮 (こんぴらさん)」のすぐ近くにある。マンガ「美味しんぼ」にも登場するなど巷で人気の銘酒ではあったが、今回はその実力を存分に見せ付けられた。赤磐雄町で仕込んだ無濾過の生ということで、そのまま冷やで飲んでも滅法旨いが、上燗を付けるとほのかな酸味とワンランク上の旨味が口中にふわっと広がる。品が良く幅があり、深みがあってキレも良い。文句なしに旨かった。
[2007年4月 9日] この日の感想・書評へ→

常きげん(石川)
山廃仕込純米酒
720ml/1470円
裏ラベルによると、山廃仕込は「常きげん」蔵元の鹿野酒造・農口杜氏が得意とする造り。ちなみにこの方は元々銘醸「菊姫」におられた能登杜氏四天王の一人だ。注ぐと山吹色で、飲み口はしっかりとした中辛口。酸味が強くコシの強いコクが特徴。ぬる燗も旨い。
なお「常きげん」の酒銘は、俳句などを楽しむ粋人であった四代目が、村人との米の大豊作の祝いの席で「八重菊や酒もほどよし常きげん」と謳い人気を博したことから命名。また鹿野酒造の蔵の裏に湧く名水「白水の井戸」はその昔、蓮如上人が蔵元のある加賀市八日市周辺を訪れ、杖を突き刺した場所から湧いたと伝えられている。文政2年(1819)創業。
[2006年12月13日] この日の感想・書評へ→
太平山(秋田)
生もと純米
720ml/1050円
秋田県産の美山錦を59%精米し、蔵元独自の秋田流生もと造りで醸した純米酒。モンドセレクションで6年連続金賞という快挙を成し遂げた酒である。生もと造りの酒にしては重さはなく、程良い酸味があってクセがなく、軽快で後味が良く飲みやすい辛口タイプ。
ちなみに蔵元の小玉醸造は明治12年(1879)の創業で、元々は醤油・味噌の醸造からスタート。大正2年から酒造りにも着手し、それ以来「太平山」ブランドを世に送り出している。
[2006年3月21日] この日の感想・書評へ→
三谷藤夫(京都)
山廃純米
1800ml/2520円
松竹梅・白壁蔵の三谷藤夫杜氏の名を冠し、五百万石を60%まで磨いて山廃酒母で仕込んだ純米酒の逸品。豊かな旨味とふくらみを保ちつつ、芳醇でキレのある酒質を実現している。
しっかりした味わいを持ちながらもぐいぐい飲めて、しかも飽きの来ないなかなかの酒。大手メーカーらしからぬイメージの出来栄えである。ちなみに肴はおぼろ豆腐、鶏の串焼きなど。
[2006年2月18日] この日の感想・書評へ→

群馬泉(群馬)
山廃もと純米
720ml/1134円
口当たりはまろやかながらしっかりと飲み応えがあり、重すぎず、程良く酸と熟成味を感じる通好みの山廃純米。燗にするとより一層辛みを増す。いかにも味の濃い料理と合いそう。
群馬泉の蔵元である島岡酒造は、幕末期(1863年)の創業以来生もと系山廃造りを貫いている上、ミネラル分を大量に含んだ硬水で仕込んでいるため、男性的でコシの強い味わいの酒が主軸となっている。
[2006年1月18日] この日の感想・書評へ→
開春(島根)
「おん」純米生もと木桶仕込
1800ml/2798円
「おん」は、にんべん(イ)+「宛」の当て字で、蔵元である若林酒造の御守りの文字とのこと。生もと造りに初めて取り組んだ上、木桶仕込みを40数年ぶりに復活させて醸した酒。山田錦を1割磨いただけ(精米歩合90%)の、独特の深みとコクのある辛口で、どちらかというと通好みの味わい。次回はぜひ燗で飲みたい。
三宮「まんげつ亭」にて遭遇。肴はあん肝と白子の盛り合わせ、おでんなど。
[2006年1月 1日] この日の感想・書評へ→

大七(福島)
生もと純米ひやおろし
720ml/1418円
久々に完全休養となった週末に、近所の小網中酒店で遭遇。秋冷えの頃に生詰めで出荷される、この時期だけの限定ひやおろしである。通常の大七生もと純米に比べてすっきりした飲み口ではあるが、生もとならではの程よくまったりとした旨味が感じられる。冷やしてもよし、常温でもよし。そしてぬる燗にしても一段と味わいとふくらみが増す。
ちなみに肴は鰈の煮付け、甘海老の唐揚げ、温泉玉子に味噌煮込みうどん。
[2005年12月 5日] この日の感想・書評へ→

男山(北海道)
生もと純米
1800ml/2435円
東京駅八重洲北口から徒歩5分ほどの所にある、古き良き風情のある居酒屋「ふくべ」で注文。コシのある辛口で、どっしりとした存在感のある飲み口だが、何となく洗練された味わいを感じる。
男山は北海道を代表する銘柄。大雪山系の万年雪を源にする伏流水を用い、低温発酵で世界的に名の通った酒を造り続けている。ちなみにこの日の肴は表面を程よく炙ったたらこと、関西風の薄味に仕立てられたおでんの大根とがんも。
[2005年10月23日] この日の感想・書評へ→

美酒の設計(秋田)
山廃純米
1800ml/2520円
「美酒の設計」とは少々変わった酒銘ではあるが、秋田県内の酒販店有志が結成した「秋田美酒倶楽部」と、「由利正宗」「雪の茅舎」で知られる齋彌酒造が協力して作り上げた、販売店限定のこだわりの酒。
色味はうっすらとした琥珀で、どっしりコシがあって飲み応えのある、一本筋の通った感じのする辛口。呑む程に存在感が増すが、決してくどいという訳ではない。ヘビーな酒好きが好みそうなタイプである。
[2005年5月21日] この日の感想・書評へ→
真澄(長野)
山廃純米吟醸
1800ml/3150円
創業1662年。霧ヶ峰の麓で諏訪大社の宝物「真澄の鏡」を酒名に冠した酒。その美味は早くから近隣に知られ、隆慶一郎の小説で有名な「捨て童子」こと松平忠輝(徳川家康の六男)が座右に置いたとの逸話も残っている。
例によって「おおにし」で会社帰りの一杯。山廃ならではのコシの強さとしっかりとした存在感、基本は辛口でありながらそれだけでは終わらない複雑な旨味が特徴。この店の濃厚でやや甘口のおでんにはピッタリである。ちなみにこの日は真澄の他に「鳴門鯛・山廃純米吟醸」のぬる燗と、よーく冷えた「七笑無濾過ひやおろし」の三種を賞味。
[2004年11月20日] この日の感想・書評へ→
山吹極(山形)
生もと純米無濾過原酒平成12BY
1800ml/2468円
「上級者向食中酒」とラベルに書かれた山吹色の古酒。蔵元の姓が「浅黄」というとても珍しい名前で、おまけに酒の色が山吹色であったことからこのような酒銘が付けられたとの事。
生もとで無濾過、おまけに3年以上寝かせた古酒ということから、かなりクセのある通好みの味わいを連想していたが、ひねた感じはほとんどなく、濃厚ではあるが意外に飲みやすい。特にぬる燗にすると一段と引き締まった飲み口となり、濃い味の料理と合わせる食中酒としては絶品である。
[2004年7月17日] この日の感想・書評へ→
忠臣蔵(兵庫)
山廃仕込純米
720ml/1230円
兵庫県は播州赤穂の酒でその名も「忠臣蔵」と来れば、何となく観光客目当ての手軽なお土産銘柄?というイメージもあったが、平成14酒造年度金賞受賞の実力を持つ銘醸である。赤穂で唯一の酒蔵でもある醸造元の奥籐家は、元は廻船問屋や塩田等を営んでいた豪商で、赤穂藩の浅野家とも深いつながりがあったという。
飲んでみると、口に入れた瞬間だけほのかな甘みを感じる他は、しっかりとした旨味と幅のある辛口。と言っても決して重くはなく、飲み飽きしない。試しにぬる燗にしてみたところ、さらに辛さは増し、どっしりとした飲み応えとなった。
[2004年6月 6日] この日の感想・書評へ→
日置桜(鳥取)
生もと純米
1800ml/2730円
原料米の「強力」は、明治時代に鳥取県で食用、酒造用として広く栽培されていた米。山田錦より背が高く倒れやすくて育ちにくいため、昭和20年代に一旦すたれたが、この日置桜の蔵元(山根酒造)が個性的な因幡の酒を醸すため、一握りの研究用種籾から栽培を開始したとのこと。
旨味の中に感じられる程良い酸味と、しっかりとしたコシの強さが、「酒を飲んだぞ~!」という充実感を味わわせてくれる。そして濃厚な味には濃厚な肴を、ということでお店で注文したのが「魚の肝煮」(当日仕入れた色々な魚の肝を甘辛く煮つけた一品)。合わせてみたら、案の定旨かったぜい。
[2004年4月23日] この日の感想・書評へ→
奥播磨(兵庫)
山廃純米
1800ml/2500円
今年のdancyu3月号で「お燗酒No.1」に選ばれ、“現代の酒の最高峰”“感涙ものの完成度”等と審査メンバーに絶賛された。おかげで、たった4人で仕込んでいる小さな蔵元に取材や見学のオファーが相次ぎ、その対応でいろいろ大変とのことだ。
何となく燗という気分ではなかったので、少し冷えた状態で戴く。特徴は幅のある旨味と口に含んだ後の程良い酸味。なるほど燗をすれば、この酸味がちょうどいい具合にまろやかになるのだろう。冷やでも十分に美味しかったが、次回はぜひ燗で、そのNo.1の味わいを試したい。
ちなみにこの日の肴は刺身盛合せ、焼き蛸、そして滅多にお目にかかれないマンボウの肝(チルド状態のものを2mm程度にスライスし、ごま油と塩で)。 v
[2004年4月12日] この日の感想・書評へ→

本嘉納正宗(兵庫)
生もと本醸造
720ml/1000円
菊正宗が自社ホームページ上だけで紹介し、全国の限定された酒販店にのみ流している銘柄。といっても特段変わった酒ではない。どちらかと言えば“ああ、これが灘本流の辛口・男酒か”と思わせる、オーソドックスな本醸造である。酒米には兵庫県美嚢郡吉川町・特A地区で契約栽培した山田錦を100%使用、生もとならではの乳酸の風味がほのかに感じられるが、色合い的にも透明度は高く、酸味がさほど強くないためすっきりとして飲みやすい。また燗にすると一層キレがよくなり、飲み飽きせずにスイスイいけてしまう。味わいはしっかりしているが飲み口がキレイでクセがないため、食中酒として守備範囲は広そうだ。
[2004年3月27日] この日の感想・書評へ→

飛良泉(秋田)
山廃純米酒/生一本
1800ml/2730円
秋田産の美山錦を100%使用した、精米歩合58%の特別純米。山廃仕込のイメージからすれば意外と淡麗だが、飲み口はふくよかで引き締まった味わいの辛口。程良い酸味とコシの強さが特徴となっている。最初はぬる燗、その後よく冷えたのを飲んでみたが、温度の違いがあまり味に影響しないタイプのようで、どちらも旨かった。肉料理にも魚料理にも合わせやすく、食中酒としてはおススメである。
ちなみに蔵元の飛良泉本舗は室町期の創業(1487年)で、秋田では最古、全国でも三番目に歴史のある老舗。元は廻船問屋で酒造りは副業だったが、明治初期より本業とし、以来頑なに山廃造りへのこだわりを貫き通している。
[2004年3月12日] この日の感想・書評へ→

白鷹(兵庫)
生もと純米しぼりたて生原酒禄水苑弐号仕込み
500ml/1200円
白鷹といえば、富岡鉄齋をはじめ多くの文人墨客に愛されてきた知る人ぞ知る灘の銘酒。伊勢神宮の御料酒銘柄でもある。バレンタインデーのチョコ代わりに頂いたこの酒は、垂れ口からほとばしりでた新酒の瑞々しさをそのまま封じ込めたという、2月半ば蔵出し限定150本のしぼりたて生原酒。原料米は山田錦100%。バナナを思わせる甘く濃厚な香りと、生もと造りの酸味の効いたコクのある辛口が特徴である。同蔵直営の展示施設兼多目的ホール「禄水苑」で購入できる(ネット通販もあり)。他にも直汲み生原酒あらばしりや、袋吊り大吟醸雫酒、長熟槽しぼり大吟醸など、名前を聞いただけでそそられるオリジナル商品が手に入るようなので、一度折を見て足を運んでみたい。
[2004年2月18日] この日の感想・書評へ→
大七(福島)
生もと純米
720ml/1250円
生もと造りといえば大七。1752年(宝暦二年)の創業以来、今も全商品が生もと造りというこだわりの蔵である。寒いこの時期、上燗で呑む酒としては欠かせない定番酒だ。豊かなコクと旨味、生もとならではのクリーミーな味わいは、まさに貫禄の一品。今回は札幌・薄野南3西4にあるお気に入りの居酒屋「たかさごや」で注文。銀だらの照焼き、つぶ貝の刺身、なまこ酢、焼き茄子、蟹味噌といった辺りをつまみながらチビチビ飲んでいるうち、北国の夜風にしばれたカラダもほっこりと芯から暖まってくるのであった。
[2004年2月 6日] この日の感想・書評へ→
酒心館(兵庫)
手造り生一本生もと造り純米
720ml/2400円
打って変わってこちらは生もと純米。どっしりした味わいと生もと造りならではのコシの強さは、いわゆる酒通好みか。ミルキーな乳酸菌の風味も感じられる。でも酸味はさほど強くなく、意外に喉ごしも重くない。ほぼ同時に飲んだ生もと本醸造よりも軽く感じた程。この時はよく冷えた状態だったが、ぜひ今度はぬる燗でちびちび飲んでみたい。
[2003年12月27日] この日の感想・書評へ→
天狗舞(石川)
石蔵仕込山廃純米生原酒
720ml/1500円
山廃とは既成の乳酸を添加せず、自然の乳酸菌を育てて雑菌の増殖を抑制し、低温でじっくり育てる酒母製造方法のこと。そして“天狗舞と言えば山廃”というくらい、一般の酒好きの間にも定着している。
さてこの生原酒であるが、契約栽培の有機五百万石を60%磨いて、天狗舞独自の山廃酒母で醸したふくらみのある濃醇辛口。米の風味も豊かで、後味の中に、生もと系特有の乳酸菌の風味がかすかに口中に感じられる。
ちなみに石蔵仕込と言うのは商品直送の酒販店専用商品とのこと。
[2003年12月15日] この日の感想・書評へ→
菊姫(石川)
山廃仕込み純米酒・平成10年BY
720ml/1334円
きき猪口に注いで色を見ると、濃い目の琥珀色。さすがに5年近く寝かせただけあって、古酒ならではの少々老ねた複雑な香りがする。口に含むとナッツ系の風味。元が山廃の純米だけに味わいは濃いが、酸味が消え去っている分甘みが口に残る。といってもベタベタ感はなく、高級なリキュールに近い上品な甘さ。
この日の肴は秋刀魚の刺身。クセのある青魚なので古酒でも十分楽しめた。山葵より生姜醤油が旨い。
[2003年9月 1日] この日の感想・書評へ→
梅乃宿(奈良)
生もと純米木桶仕込み
720ml/1100円
元来旨口の酒造りで人気の蔵であるが、近年は生もと造りにも本腰を入れ一段と味の幅を広げているとの噂。早速試してみた。
生もと造りとは天然の乳酸菌の力を借りて醗酵させる伝統的な造りの事。ラベルに純米酒と書いてはあるが、精米歩合が60%なので実質的には吟醸クラスだ。きき猪口に入れるとほんのりと乳酸菌の香りがする。口に含んだ瞬間はそうでもないが、舌の上でころがしていくうちに口中に旨味が拡がる。生もとにしてはあまり酸味を感じない。後味に少し苦味が残るかなあ。常温か少しぬる燗にしても旨いかも知れない。
[2003年6月 6日] この日の感想・書評へ→
秋鹿(大阪)
山廃槽搾直汲純米吟醸
720ml/1700円
自宅近くの酒屋では、毎年春先になると秋鹿槽搾直汲入荷」と手書きされた紙が貼り出される。春の風物詩だ、飲まぬ訳にはいかない。槽場で搾った山廃の原酒を直に瓶詰しているので、フレッシュな酸味とどっしりした旨みが両方味わえる。肴なしでも飲れるが、何を合わせるのがベストか、「これだ!」という答えがまだ見つからない。ちなみに封を切った日の肴は肉じゃが。ま、悪くないか。
[2003年5月 6日] この日の感想・書評へ→



瓢太閤(徳島)
生もと純米
720ml/1050円
阿波山田錦を100%使用(80%精米)、6号酵母で醸し蔵貯蔵した昔ながらの生もと造り純米。+3度のキレのある辛さと喉越し。どっしりと味わいがありながらも、口サラリとした口当たりの個性ある飲み口が特徴。燗にすると一際旨味が冴える。
蔵元は2007年より日新酒類に吸収合併された太閤酒造場で、安政4年(1857)の創業。肴は鰤と鰺の刺身、あん肝。食遊館にて購入。
トラックバック(0)
[2011年11月24日] この日の感想・書評へ→